あなたはどのような投資戦略でFXトレードを行っているでしょうか?
移動平均線をつかったり、ボリンジャーバンドを使ったり、MACDを使ったり、いろんな方法がありますね。
もし明確なルールもなく、なんとなくトレードを繰り返しているとするのなら
…絶対にマーケットから利益を得ることはできません。
なぜなら、曖昧な根拠をもとにしたトレードをいくら繰り返しても、そこからの学びは一切ないからです。
つまりトレードが上達しない。
トレード技術を上達させる方法はただひとつ。
明確な取引ルールを定めて、それを守って取引し、失敗したら失敗の理由を精査してひとつひとつ潰していくことです。
何度も失敗を繰り返し、自分の失敗の傾向を掴み、二度と同じ失敗を繰り返さないように努力を重ねる。
それを続ければ、いつの間にかごく自然にトレードで利益を上げられるようになっているでしょう。
トレード技術を洗練させるには、優位性のある取引ルールをしっかりと決めて失敗を繰り返すことが必要不可欠です。
でも、取引のルールなんてどうやって決めていいかわからない!
今までいろいろ試行錯誤してみたけど、よくわからない!!
そんな方のために、オリジナルの優位性のある取引手法を作成するヒントを紹介します。
ステップ1 投資機会の頻度を決める(時間軸を固定する)
まず最初に決めるのは投資頻度(時間軸)です。
簡単に言えば、短期トレーダーとしての戦略を決めるのか、それとも中期か、長期か、そんなところですね。
超短期:1日に複数の取引
短期:1日~1週間
中期:1週間~数カ月
長期:数カ月~数年
大雑把にわけるとこんな感じになりますが、ここではもっと掘り下げて考えてみましょう。
もっと具体的に、「1日に5回くらい取引したい」とか「1週間に1度くらいの取引がいい」とか、期間と回数まで決めます。
ここまで考えて投資戦略を考えている方はそんなにいないのではないでしょうか。
サラリーマンであれば1日中チャートを確認できませんし、数日に1回くらいの取引頻度が適しているかもしれません。
家にいる時間が多いのなら1日に何度も取引できるように戦略を建てますし、数カ月に1回の取引頻度がいいという方もいるでしょう。
もちろん「1日1回の取引がいい」なんて思って戦略を決めても、実際にその通りにはなりません。
あくまでも目安の取引回数です。
これが決まると、自然と使用する時間軸が決まります。
5分足チャートを使うのか、15分足チャートを使うのか、それとも1日足なのか…
超短期なら5分足ですが、長期なら日足や週足です。
この段階ではまだ時間軸を固定する必要はありませんが、大切なのは一度決めた時間軸を途中で変更してはいけないということです。
5分足チャートを使うと決めたら使い続ける、日足を使うと決めたら断固として使い続けるのがポイントです。
なぜなら30分足で有効に機能した戦略が、そのまま日足チャートで通用するとは限らないから。
週足で機能しなかったテクニカル分析が5分足で有効だったり、時間軸による特徴が違います。
もちろんすべての時間軸に通用する戦略もありますが、戦略の精度を上げるためにも時間軸は固定しましょう。
ステップ2 投資する通貨を決める
日本人なら何の疑いもなくドル円をメインで取引しているトレーダーも多いのではないでしょうか?
チャートだけみると気づかないですが、実際に取引していると通貨ペアはそれぞれに驚くほど特徴が違っています。
ドル円で通用した手法がユーロドルでは使えなかったり。
ユーロ円で使えなかった手法がドル円で使えたり。
テクニカル分析を試すにしても、いろんな通貨ペアをごちゃまぜに取引していると、その失敗から学ぶ効率が低下します。
取引する通貨ペアは固定することでトレード技術は上達します。
初心者にオススメなのが取引量が多くて乱高下が少ないユーロドルです。
ドル円やユーロ円も取引量が多くていいのですが、円という通貨は”安全通貨”の側面もあります。
世界経済の影響を受けやすく、不意に変な動きをするので注意が必要です。
また、新興国の通貨やあまりにも乱高下する通貨はオススメできません。
ステップ3 使うテクニカル分析を決める
取引頻度と取引する通貨が決まったら、次は使うテクニカル分析を決めます。
取引頻度にあわせて、使うチャートや、取引シグナルがでるタイミングなどが決まります。
「この数値だと取引のシグナルが多すぎるな…」
「30分足でドル円だと、この戦略は有効に機能しないな…」
といった感じで、ピッタリとハマる戦略を探します。
(取引頻度・通貨・戦略は、試行錯誤しつつそれぞれに微妙に調整するのがポイントです)
とはいえ、ここでこだわり過ぎると”沼”にハマります。
初心者は「有効な手法(ルール)こそがもっとも大切!」と思うかもしれませんが、実際のところ手法はそれほど重要ではありません。
それよりも使うテクニカル分析の手法と、取引頻度、時間軸、通貨ペアとの相性の方が大切です。
手法を決める際にもっとも大切なのは2つ。
①主観の予知がないほど厳密なルールを決める
②子どもでも理解できるくらいシンプルなルールにする
主観の予知がないほど厳密なルールを決める
たとえばローソク足の分析ってありますよね。
逆三尊がどうとか、大陽線がどうとか。
個人的にローソク足の分析って信用できません。
だって、ローソク足の長さや受ける印象は、取引ツールや表示させている時間帯でぜんぜん変わっちゃうから。
別の取引ツールでローソク足チャートを見ても、まったく違う印象を受けちゃいます。
また、トレーダーが2人いたら、それぞれにローソク足チャートの分析結果は違うでしょう。
あとはグランビルの法則、なんかもすごくファジーで曖昧な戦略ですよね。
このように、取引ツールで変わったり見る人でかわるような曖昧なルールを作るのは危険です。
なぜなら明確な判断基準がない戦略は、メンタルが落ち込んでいるとき、損失が膨らんで混乱していたり恐怖に支配されているときに「自分の都合の良い解釈」をしてしまうから。
ルールが明確であればあるほど、混乱した状況でもルール通りに取引できます。(もちろん恐怖に負けてルールを破ってしまうこともありますが)
子どもでも理解できるくらいシンプルなルールにする
世の中には「知識をたくさん得ることで正しい判断ができる」と考えるトレーダーがいますが、それは完全に間違っています。
実際は逆で、取引で参考にする情報は限りなく少ない方がよい、とされています。
なぜなら、たくさんの投資判断があると混乱しますし、バイアスがかかって「自分に都合のいい戦略」だけが目を引くようになるから。
本当に大切なことを教えてくれる情報を無視して、自分に都合のいい情報だけを最小してしまう。これが人間の本能です。
トレーダーの中にはチャートにいろんな指標を表示させて、もう見にくくってしょうがないような方もいます。
テクニカル分析の手法もひとつだけよりも2つ使った方が正確にチャートを予測できると思われがちですが、実際はまったく違います。
多すぎることは、逆にトレード技術の状態を妨げます。
併用する指標は1~3個くらいまでにしておいた方がいいでしょう。
①主観の予知がないほど厳密なルールを決める
②子どもでも理解できるくらいシンプルなルールにする
この2つを満たしたオススメの指標として個人的にお勧めしたいのが基本中の基本である移動平均線です。
「な~んだ、移動平均線か。すでに使ってるよ」
というトレーダーも多いかもしれませんが、本当に使いこなせている方はごくわずかでしょう。
時間軸と通貨を固定し、ひたすらに移動平均線の精度を突き詰めるだけで、とても強力な武器になると思います。
ステップ4 バックテストで優位性を確認する
時間軸、通貨、戦略が決まったら、それが有効かどうか実際のチャートを使ってたしかめます。
バックテストとは、過去のチャートを使って戦略が有効かどうか検証すること。
専用のソフトを使うこともできますが、実際はかなり難しいので、自分で確認出来る範囲のチャートを確認してみましょう。
遡れる範囲でいいのでいちばん古いチャートを表示させ、実際にルール通りに取引してみる。
そしてしっかりと利益が出ているのかをチェックします。
結果がイマイチだった場合は、指標の数値を変えたり、戦略を見直したり、いろいろと試行錯誤してみます。
ここでも通貨と時間軸は変えてはいけません。
ステップ5 少額で実践する
納得のいく戦略が決まったら、あとは実践です。
とはいえいきなり自分の資産を全額使って取引するのは自殺行為です。
まずは少額から始め、実際の市場でその有効性を確かめます。
具体的には100通貨とか、10通貨とか、もう証拠金が1,000円あればいいってくらい少額で。
(昔は最低でも1万通貨の取引でしたが、最近のFX会社はすっごく少額でも取引可能です)
これくらい少額でも資産を増やせなければ、大きな資産で取引しても勝てるわけありません。
この段階でたくさんの失敗を繰り返すのが成功への近道です。
しっかりと取引ノートをとり、取引を記録します。
取引で損失がでたら、その理由を解析してノートに書き込みましょう。
そうして取引を続けるうちに、自分が頻繁に行う失敗や、戦略の欠点が見えてきます。
取引の失敗を踏まえて、少しずつ戦略をグレードアップさせていく。
それを地道に繰り返すことで、自分だけの洗練されたトレード戦略が完成します。
どれだけ優位性のある取引戦略でも100%勝ち続けることはできません。
それを踏まえて、「勝ったり負けたりを繰り返しつつも1か月のトータルでは利益になっている」、みたいな長期の視点を持つのが大切です。
今回紹介したトレード戦略を構築する5つのステップを参考に試行錯誤すれば、きっと有効な投資戦略が見つかるのではないでしょうか。