移動平均線はもっとも基本的なテクニカル分析の指標です。
移動平均線だけを参考にして勝ち続けるトレーダーもいるくらい、とても効果的でありながら、シンプルで奥深いです。
では、移動平均線を使ったトレンドの判断方法や、エントリータイミングの判断方法の例を紹介します。
3本の移動平均線を使おう!
移動平均線はチャートに3本表示させるのが基本です。チャート画面には、為替の実勢価格と色の違う3本の移動平均線が表示されている状態で取引しましょう。
移動平均線の設定方法
3本の線はそれぞれ短期・中期・長期の範囲で指定します。
例えば
- 短期=5
- 中期=25
- 長期=100
で設定した場合、日足であれば短期は5日分、長期は100日分の平均が表示されるということになります。
この数値はとても重要で、投資家の個性が最も出る部分なので、自分で試行錯誤してみましょう。設定する数値が低ければ低いほど、実勢価格を反映しやすくなり動きが激しくなります。相場に合わせた迅速な対応ができますが、長期的なトレンドはつかみづらいでしょう。
逆に数値が大きすぎると、動きが緩やかになり、投資シグナルが出にくくなったり、相場の暴投・暴落にあまり反応を示さなくなってしまいます。
設定の例
とっても普通の設定
- 短期=10
- 中期=25
- 長期=50
7の倍数を利用するJ・ウェルズ・ワイルダー方式
- 短期=7
- 中期=21
- 長期=63
フィボナッチ数列を利用する方式
- 短期=5
- 中期=21
- 長期=55
これらの数値はあくまでも例です。30分足を使うのか、5分なのかでも変わってくるかもしれません。
最初はそんなに細かくこだわらずに、上記の数値を参考に表示させてみて、使っているうちに自分なりにカスタマイズしていきましょう。
3本の移動平均線の使い方
エントリーのタイミングは?
移動平均線を使ったエントリータイミングですが、基本的な考え方はたったのふたつです。
①ゴールデンクロス・デッドクロス
ゴールデンクロスやデッドクロスは有名ですね。長期移動平均線を下から上に短期移動平均線が突き抜けたときに買い、その逆に上から下に突き抜けた場合は売り、という考え方です。
長期ラインを中期と短期のラインが両方とも上に突き抜けた場合に買い、という風にアレンジして考えることもできます。短期ラインと中期ラインのクロスや、中期ラインと長期ラインのクロスというサインもあり得るでしょう。
②反発を狙う
移動平均線はそのまま抵抗線として使用できます。為替が下落し続けている場合に、移動平均線付近で反発することが多いのです。
抵抗力が一番強いのが長期移動平均線で、一番弱いのが短期の移動平均線です。
実勢為替が長期移動平均線周辺に移動してきた場合は、突き抜けるのか、それとも反発するのか、その動きを注意深く見守り追随したほうがいいでしょう。
3本の移動平均線でトレンドを読む
3本の移動平均線でトレンドを判断する方法も複数あります
①3本の移動平均線がきれいに順番になっていたら、大きなトレンド
例えばこれは、直近の4時間足チャートです。長期ラインが青、中期が黄色、短期が赤です。
(ちなみに設定は短期=10・中期=25・長期=50です)
チャートの右側を見ると、一番上が長期ライン、その下が中期ライン、一番下が短期ラインとなっています。
きれいに長期→中期→短期の順番になっているのがわかりますね。この場合は下降トレンドに入ったという判断ができます。
3本の移動平均線がきれいに順番になっていたら、大きなトレンドであると判断できるのです。
②ラインが重なっていたらもみ合い・ボックス相場
先ほどと同じチャートですが、真ん中あたりを注目してください。
短期と中期のラインが何度か重なっていますね。
複数の移動平均線が重なってグチャグチャしている場合は、強いトレンドが形成されていない状態です。
その場合、ボックス相場となり、小さな範囲で上下を繰り返すでしょう。
このような状況には抵抗線が活躍する場合が多いです。
③シンプルにラインの向きを見る
移動平均線が上を向いているのか?それとも下を向いているのか?
これで、大雑把なトレンドを把握することができます。もっとも参考になるのは、大きなトレンドの流れを表現する長期移動平均線です。長期ラインが上を向いていれば上昇トレンド、下を向いていれば下降トレンドというわけですね。
さらに中期・短期も同じ方向を向いていれば、もっと強いトレンドという判断をできます。
先ほどのチャートでも、長期・中期・短期の移動平均線がすべて下を向いていましたね。これは強い下降トレンドということになります。
移動平均線の知識はFX投資に必要不可欠
移動平均線については、おおむねこれらの判断方法を覚えておけばOKです。あとは、実際に投資を繰り返すことで自分なりの投資ルールを築いていきましょう。
ほかのテクニカル分析と併用するのも、もちろん有効です。移動平均線はどのテクニカル分析とも相性バツグン!移動平均線の知識はFX投資に必要不可欠といってもいいですね。
ですが、設定する数値によってはダマシが多くなったりするので注意が必要です。移動平均線の数値はそのトレーダーの個性であり武器です。自分なりの数値をいろいろと試行錯誤してみましょう!