「タマゴはひとつのカゴに盛るな」
というのは大昔からある投資の金言です。
ひとつのカゴに卵をたくさんいれてたら、万が一落とした時に全部割れちゃうよ!
つまり「資産を守るためには分散投資しなさい」っていう意味ですね。
投資のプロも、証券会社の営業も、分散投資の大切さを口を酸っぱくして何度もアドバイスするわけです。
…ですが、私自身は資産を守るために分散投資をしてはいけないと思っています。
その理由を説明します。
グローバル社会では「分散投資」が難しくなっている
まず、ひとつ目の問題として「分散投資」そのものが難しくなってきていることが挙げられます。
分散投資という考え方は何十年も前に生まれており、その当時は革命的な投資法として広がりました。
安全性と利益を両立させる、もっとも効率的な投資法ってわけですね。
当時は良かったかもしれませんが、いまは話が違います。
一昔前は「アメリカ株」と「日本株」と「イギリス株」を持っておくことが分散投資になったかもしれません。
ですが、世界中が密接につながったグローバル経済に置いては、それは分散投資にはなり得ません。
リーマンショックレベルの恐慌が始まったら、世界中のすべての市場が爆下げするのです。
株式。
債券。
投資信託。
不動産。
通貨。
原油。
穀物や金など。
すべてが値下がりする可能背もゼロではありません。
日本の円は恐慌時の資本の逃避先として「安全通貨」なんていわれていますが、日本円だって下がったり上がったりしており、安全な運用ができるわけではありません。
不況時に値上がりするといわれる「金」も完全に安全とは限りません。金の価値を担保しているのは「金には価値がある」という私たちの”思い込み”に過ぎないからです。
現在は、金融商品はそれぞれに密接に繋がり過ぎていて、それが分散投資を難しくしているのです。
分散投資の3分割法なんてのもあります。(現金、金融商品、不動産の3つに分割投資する方法)
これもあまりにも昔の概念。今の市場ではほぼ意味がないでしょう。
証券会社に口座開設して投資できるすべての金融商品をみても、完ぺきな分散投資が難しいことがわかると思います。
なぜ証券会社は分散投資を勧めるのか?
分散投資で資産は守れない。
…にもかかわらず、証券会社の営業は口をそろえて分散投資を勧めてきます。
その理由はたったひとつ、手数料を払ってもらいたいから。あるいは、自分の営業成績の向上です。
新しい債券も、新しい投資信託も、そのすべてが証券会社の利益になります。
利益に繋がるから分散投資を勧めるのです。
分散投資の優位性はすでに失われているにも関わらず。
証券会社で投資信託に投資したことがある人ならわかるでしょう。値下がりするときは、保有しているすべての投資信託が損失を出します。
しっかり分散投資できているのなら、どんな相場環境だったとしても上がる投資信託もあれば、下がる投資信託もあるもの。全体としては劇的に変化せず、少しずつ資産が増えていくのが理想。
でも、現実はそうではありません。
「分散投資」は証券会社が儲けるための方便になり下がったといえるでしょう。
分散投資が危険な理由
いろいろと分散投資の危険性を指摘しましたが、それでもなお、資産を守るために分散投資は大切だと思います。
ただ注意して欲しいのは、「分散投資=安全」という時代は終わったことをしっかりと自覚することです。
分散投資しているから安全だと思い、保有資産のほとんどをいろんな金融商品に投資するのは危険です。
ちゃんとある程度の現金を持ったうえで、余剰資金で投資するのが大切。
まあ、「現金を持つ」ということ自体が「円に投資している」ということになるのですが。
それでも日本人として円を持っておくことは大切です。
投資の3分割法では資産を3分の1にわけて、それを別のものに投資しました。
実際は資産の半分を日本円でもっておき、もう半分でいろんな投資商品に投資するくらいでいいでしょう。
間違っても、生活資金に手を出してまで投資してはいけません。
「分散投資は安全ではない」ということをしっかりとわかったうえで、ちゃんと投資先を選んで分散投資するのが重要なんですね。
オススメの分散投資
今現在、全世界で新型コロナウイルスの流行し、経済が崩壊しています。
ブラックマンデーもリーマンショックも超える経済的な低迷が長く続くかもしれません。
わたしが保有している株も投資信託もREITも、すべてが大きく値下がりしています。
分散投資なんてまったく意味がないことが痛いほどわかります。
そんな中にあって、大きく利益を伸ばしている金融商品がひとつだけ。
意外ですが、FXトレードだけは大きく利益が上がっています。
ドル円も、ユーロドルも、ユーロ円も、よく考えれば2国間の通貨価値の優劣によって変動します。
世界的にどんなに不況になったとしても、どの国も同じく不況になればボラティリティ(値幅)はそれほど大きくならないんですね。
FXというと何となくリスキーな印象がありますが、上手に使えば自分の資産を守る有効な選択肢になるのではないでしょうか。