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[危険]TwitterやSNSでFXの自動売買(EA)勧誘してる人が儲かる仕組み

 

「放っておくだけで自動的に月利10%です!」

「取引履歴、全公開中です!!」

「今月は何もしてないのに10万円利益を上げました!!」

なんてTwitterなどのSNS、ネットの広告などでFXの自動売買を猛アピール。

そんなアカウントを見て「ああ、放っておくだけなら楽だし、自分で取引しても損ばっかりだし、やってみようかな…」なんて思っちゃう人もいるかもしれません。

 

結論からいうと、絶対にやめておいた方がいいでしょう。

 

その理由と自動売買の危険性を紹介します。

FX自動売買(EA)の手口や危険性

為替取引の自動売買自体は昔からありますし、そのシステム自体がまったく無意味とは限りません。

ですが、ツイッターなどのSNSで公開されているFX自動売買の情報には要注意です。

 

世の中に「うまい儲け話」なんて存在しません。

たとえあったとしても、そんな話は一部の権力者か金持ちが先取りしてしまいます。

少なくとも、一般人の目の届く範囲に「うまい儲け話」は存在しませんし、もしあったとしたら何かしらの”裏”があると思っていいでしょう。

 

とうぜん、FXの自動売買も安易に飛びつくと痛い目を見るかもしれません。

そんなアヤシイ勧誘者は、まずLINEの登録を呼びかけます。

なぜなら誰もが見れるツイッター上で勧誘すると、すぐにウソがバレてしまうから。

詐欺的な自動売買(EA)の勧誘は非公開のLINEでやり取りするのが基本です。

 

で、次にEAを行うために海外のFX業者に口座開設するよう勧誘されます。

さらに、高額の自動売買ソフトの購入も迫られます。

 

このような手口の詐欺まがいの行為による被害は、消費者センターにも寄せられています。

消費者センターが注意喚起している詐欺行為のパターンがこちら。

①ネットやSNSで自動売買を勧誘

②高額の自動売買ソフトを購入させる

③そのソフトを運用するため海外のFX業者を紹介し、口座開設や入金方法を丁寧に教える

④口座開設&入金で自動売買を開始

⑤大きな損失を出したり、利益が出たとしても出金できないというトラブル発生

⑥無登録の海外FX業者のため解決が難しい

「勧誘をした人」は高額の自動売買ソフトを売りつけて儲けているわけだけど、恐らく裏で海外FX業者とも繋がっており、口座開設や為替取引で高額のマージンを受け取っていると考えられています。

FX自動売買によるトラブルの実例

では次に、消費者センターに寄せられた被害の報告を紹介します。

実例1:FX自動売買ソフトを限定500人に販売している

インターネットの広告を見つけ、業者に資料を請求した。その後、業者から電話がきて、「海外の業者がシステム開発したFX自動売買ソフトを限定500人に販売している。月15%ず
つ増えていく」と説明されて契約した。

ソフト代約3万円を支払い、業者の指示で海外の業者の海外にある口座に約50万円を入金した。

パソコンにソフトを入れると海外の業者のホームページに自分のページができ、売買画面が出てきた。

順調に利益が出ていると、「上のランクのソフトがある」と言われて、さらにソフト代約5万円を支払い、口座に約300万円を入金した。

その後、ソフトを販売した国内の業者に、元金と同額の出金を依頼したが、「取引をすべて終了しなければ出金できない」と言われた。

業者は「我々はソフトの販売会社であり、海外の業者に仲介しているだけ」と言っている。解約して返金してほしい。

(相談受付:2013年4月、契約者:30歳代、女性、北海道)

限定500人。

月15%の利益。

さらによいソフトがある。

すべて詐欺師が使うパターン的なワードですね。

最終的には口座から資金を出勤できずトラブルになっています。

実例2:メルマガでFX自動売買を勧誘された

メルマガで紹介されていた業者に資料を請求した。

その後、業者の担当者から電話があり、説明を受けてFX自動売買ソフトを購入し、指定された海外の口座を開設した。

その際、リスクに関して詳しい説明はなく、書面はもらっていない。

取引の運用資金として海外の口座に入金し、合計約100万円を支払った。

しかし、実際にどのように運用されているか説明がなかったため、不審に思い、国内の業者に「出金してほしい」と伝えたが、「ポジション 45保有中のため、解消されないと出金できない」と言って応じてくれない。

契約時には「1週間で出金できる」と説明されたのに実際と異なる。

出金を希望する。

(相談受付:2013年12月、契約者:20歳代、女性、福岡県)

詐欺的な勧誘には書面による契約がないという特徴があるようです。

国内では投資信託を買うのにも目論見書という書面の確認が義務付けられています。

大切な資産を扱うのに書面での確認がないなんてちょっと変ですね。

また、「ポジションがあるから解約できない」といういいわけも、詐欺的な取引のパターンみたいです。

事例3:絶対儲かると50万の自動売買ソフトを購入

1年半前、「絶対にもうかる」とのインターネットの広告を見て50万円のFX自動売買ソフトを購入した。

ソフトの代金は国内の業者に支払い、その業者の指示で海外に取引口座を作って100万円を入金した。

当初大きな利益が出たので信用し、約400万円を追加で入金した。

約500万円が約2,000万円にもなったが、国内の業者に「引き出したい」と伝えてもいろいろ理由をつけて決済
させてもらえず、現在まで1円も引き出せていない。

取引の終了を国内の業者に申し出たら、「現在の口座残高を調査する」とのメールが来た。

その数日後インターネットで確認したら、口座にはわずかしか残っていなかった。

国内の業者のホームページに載っている電話番号は、現在つながらない状態だ。

どうしたらよいか。

(相談受付:2013年11月、契約者:60歳代、男性、徳島県)

自動売買ソフトそのものは完全に悪いとは言い切れません。

この方は自動売買ソフトでしっかりと利益が出ていたようです。

極端な話、サイコロで売りと買いを決めたとしても、サルがトレードしたとしても、為替取引ではある程度は勝つ確率があるのですから。

問題は高額の販売代金や取引コスト、どれだけ利益を上げても出金できないなどのトラブルってことになりますね。

事例4:1年の運用で資産が6倍に!

平成 25 年 9 月、SNS を介して知り合った人の知人(勧誘者)から自動的に取引する外国為替取引システムで儲もうけているという話を聞いた。

興味を持ち、10 月 16 日に知人と一緒に相手方(注)に出向いたところ、一年で運用資金の最大 6 倍の利益を出した人がいること、運用資金は 1 万円でもはじめられることや、システムについての説明等を受け、本当に儲かると思った。

契約したいが商品代金 100 万円を用意できないと相手方に伝えたところ、消費者金融から借りて払うこともできると案内されたため、相手方と FX 自動売買ソフトの売買契約を締結することにした(以下、「本件契約」という。)。

その後、借り入れの方法等については知人から指示を受け、消費者金融から 100 万円を借り、相手方に手渡した。

10 月 17 日、相手方から紹介された FX 取引業者のホームページで個人情報を登録し、アカウントナンバーやパスワードを相手方に送った。

18 日に FX 取引業者の国内口座名義に運用資金として 4 万円振り込んだ。

28 日に相手方に出向き、FX 自動売買ソフト(USB)を受領した。相手方からは、取引が開始できるように USB の設定は済ませていると言われた。

その後、6 カ月たっても 1 万円も儲からず、地元の消費生活センターに相談したが、解決できなかった。

本件契約を取消して 100 万円を返金してほしい。

「100万円もお金がない」と言ったところ、消費者金融まで紹介してくれるという手際の良さ。

おなじ手口で被害にあった方がたくさんいそうです。

もしホントにそんなに儲かる自動売買ソフトがあるのなら、こんな勧誘なんてしないでもあっという間に億万長者になれると思いますが…。

事例5:過去3年間、月通算で損失になったことはない

平成 22 年 3 月頃、インターネットを通じて知り合った人から、「将来、起業したい人が集まる会がある」と誘われて参加したところ、その場で相手方の取締役(現在は代表取締役)を紹介され、投資システムについての話を聞いた。

後日、詳しく説明を聞いたところ、「当社の投資ソフト(以下、「本件商品」という。)を利用すれば年利 3 割でお金が増える。

過去約 3 年間にマイナス運用になった月はない。

会員募集はあと 1~2 カ月で締め切るので今始めたほうがよい。

また、人を紹介すると 12 万円の紹介料がもらえる」と言われた。

その後、何度かメールのやり取りがあり、購入を急がされたため、同年 4月、本件商品を 60 万円で契約し(以下、「本件契約」という。)、同日、全額を相手方に振り込
んだ。

自宅にはパソコンがないため、送られてきた商品を持って、相手方の事務所を訪れた。

相手方の取締役に操作してもらい、言われるままに入力した。

よく理解できないまま入力したので、何を入力したのか等、よくわからない。

その後、相手方からの連絡が途絶えてしまったので、不安になった。

相手方の説明を信じて契約したが、投資金もなく、操作するパソコンもないので解約したい。

なお、契約書面は交付されていない。

パソコンも持っていないなんて、おそらくかなりの高齢者ではないでしょうか。

投資の知識のない人にハイリスクな金融商品を勧誘することはそもそも問題がありますが、これは悪質すぎますね。

業者が語る「甘い言葉」はまったく信用できないことがわかります。

危険なFX自動売買を見破る方法

では、危険なFX自動売買の特徴をまとめてみましょう。

①簡単に利益が上がるという甘い言葉

悪質な業者は簡単に利益が上がるといいますが、「だったら自分で運用すりゃいいだろ!?」と思わざるを得ません。

公開している運用履歴も画像を加工しているか、上手くいった箇所だけをトリミングしているかのどちらかでしょう。

②高額の自動売買ソフト

「たしかにソフトはちょっと高いかもしれませんが、こんなの1か月で取り戻せますよ!」

なんて言ってくる業者は注意。

本当に「絶対儲かる自動売買ソフト」があるのなら、たくさんの有力な金融機関が同じシステムを利用しているはずですし、広まった手法はその効果が減衰していきます。

ホントであれウソであれ、自動売買ソフトに数万円以上もお金をかける必要はありません。

それにもしFX自動売買がやりたいのなら、ネット上で優秀な自動売買ソフトが無料で配布されていますしね。

③海外のFX業者

詐欺師は「なんだか信用できそうな人だな~」と思わせるのが得意ですが、「海外のFX業者に口座を開設して…」なんてワードが出てきたらアウト!

海外のFX業者は金融庁に未登録のところが多く、出金できないというトラブルも多発しています。

たとえ弁護士に頼んだとしても、日本国内からトラブルを解決するのも難しい現状があります。

海外はレバレッジ規制も甘く、資産がゼロになるどころか、大きな借金を背負うことだってあり得るので注意が必要です。

 

また、海外のFX業者で利益を上げると源泉分離課税ではなく雑所得として確定申告する必要があります。

利益を上げれば上げるほど税率は上がり、最大で利益の半分50%を納税しなければなりません。

健康保険料、住民税などにも影響を与えるので要注意です。

「FXの利益を雑所得として申告しなければならない」

これだけで海外のFX業者を使わないのに十分な理由です。

Twitterで騙そうとする詐欺師の意外な共通点

Twitterでは怪しげな情報商材やFXの自動売買を売りつけようとするアカウントがたくさんあります。

わたしもFXの取引を公開したり情報収集のためにTwitterアカウントを持っているのですが、フォローしてくるのは怪しげなアカウントばっかり!

それらのアカウントを見ていくうちにひとつの共通点があることに気付きました。

 

それは…

アカウントの作成時期が1~2カ月以内ってこと。

 

ツイッターではそのアカウントがいつから使われているかを確認できます。

2020年3月からTwitterを利用しています

なんて自己紹介文の下に表記があります。

 

詐欺っぽいアカウントは、もれなく運用の期間が短い!

3か月前でも珍しいくらいです。

おそらくアカウントを作って、カモが引っかかったら消しているのでしょう。

同じアカウントでずっと詐欺的な商品を売りつけていたら、必ず悪い評判が立ちます。

それを防ぐため、そして逃げるために、頻繁にアカウントを作り続けているのかもしれません。

しかもTwitterアカウントを作成して1か月くらいなのに、フォロワーが1000人とか、3000人とかいる。

業者からフォロワーを買っているのかもしれません。

 

もちろん、運用が長いからといって信用できるわけではありません。

「運用が長いアカウント」を売買して、それを詐欺に利用するケースもあります。

ですが、作成して間もないアカウントは論外!!

どれだけうまい話だったとしても、ぜったいに信用してはいけませんね。

☆アヤシイTwitterアカウントは運用期間が短い傾向にあります。

FXに関する詐欺まとめ

大切なことなのでもう一度言いますが、

世の中にうまい話は転がっていません。

 

第一「自動で毎月10%の運用利益!!」なんて話が本当なら、数年で億万長者になれます。

わけのわからない自動売買ソフトをわざわざSNSで販売する必要はないでしょう。

 

危険な勧誘をしてくるのは、昔からの友人かもしれませんし、すごくいい人なSNS上の友達かもしれません。

甘い言葉に惑わされず、嘘を嘘と見抜く力を持ちたいですね。

 

もし万が一、すでに被害にあわれているのなら、国民生活センターで相談してみはいかがでしょうか。

国民生活センターのホームページはこちら

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