ポジポジ病(ポジション保有依存症)とは自分の意思ではトレードを止められずに繰り返してしまう症状のこと。
常に取引をしていないと不安になったりイライラしたり精神的に不安定になります。
重症化すると絶対に使ってはいけない資金に手を出したり、お金を借りてまで投資するようになります。家族や友人関係の崩壊の原因になったり、うつ病や手足の震えなどの身体症状がでることもあります。
ポジポジ病になった人間がどうなるのか?
そのヒントとなるサルの実験を紹介します。
あるサルに芸を仕込み、その芸が成功するとエサ(報酬)を与えるように調教します。
するとサルはエサが欲しいので頑張って芸を続けます。
その後、ある瞬間から芸をやってもエサを与えるのを完全にやめてしまいます。
すると「芸をやってもエサはもらえないんだ…」とサルは学習し、すぐに芸をやらなくなってしまいます。
次に、芸をやったサルに対してランダムにエサを与えます。
芸を成功させたらエサがもらえるときもあれば、もらえないときもある。
そんな「ランダムの報酬」を学習したサルは、たとえ完全にエサを与えるのを止めたとしても「次はエサ貰えるかも!」と思い続け、延々と芸をやり続けます。
ポジポジ病に陥ったトレーダーは、ランダムの報酬を学習したサルとまったく同じ。
「次は大儲けできるかも!」
…と、無意味な芸を繰り返します。
とくに24時間手軽に取引できるFXトレーダーがポジポジ病になりやすいのですが、その理由はたったひとつ。
明確なルールなしになんとなくトレードしているからです。
「なんとなく上がりそうだから買った」といったあいまいなルールで取引していると、たとえその取引で失敗しても失敗から学ぶことができません。
サルは「芸をしてもエサがもらえなくなった」と学習すれば、もう芸をやることはありません。
それは明確なルールがあり、そのルールが変更になったからです。
前提となる明確なルールがない「ランダムな報酬」を与えられたサルは、学習の機会を奪われ、延々と芸をし続けます。
「チャートが○○という形になったらエントリーする」
「このラインをブレイクしたらエントリーする」
何でもいいので、誰がどのチャートを見ても同じ判断ができるような明確なルールをもとに取引しましょう。
ルールはシンプルであればあるほどいいです。
明確なルールがあれば、そのルールから逸脱した取引をするのはルール違反!
結果的に取引の数は減りますし、取引の失敗から多くの学びがあります。
なんとなくなランダム・トレードでも大儲けできます。
運がよければ。
その大儲けが脳の報酬系を刺激して強烈な快感を得ることができます。
その快感がポジポジ病の原因。
でも、そんなトレードを続けていれば、長期的には必ずといっていいほど大きな損失を招きます。
自分が「絶対の報酬が貰えないのに芸をし続けるサル」と同じメカニズムでポジポジ病になっているとしたら…
なんとなく情けなくなりますし、トレードで一貫して勝てない理由もわかります。
まずはしっかりと取引の戦略を考え、ルールを構築し、それを厳守する。
そうすれば自然とポジポジ病は改善すると思いますよ!!