中国元の暴落、連日のサーキットブレーカーの発動、中国発の金融不安が世界を賑わせています。
その影響か日経平均は年明けから連日の続落。安全通貨である円への投機マネーの逃避による円高も進んでいます。
2016年の年明け早々に本格化した金融不安の中、金地金の価格も年明けから続落しています。
「金」といえば円やスイスフランと同様に、金融不安時の逃避先として機能している投資先のひとつです。
金本位制は崩壊しましたが、なんだかんだ言って「金の価値」は普遍的であるというイメージがあるのかもしれませんね。
ですが今回の金融不安では、円高と逆行するように金が値下がりしています。
その理由は中国の金融不安と、アメリカの利上げにあるのではないでしょうか?
円と金の価格が逆行する理由
世界の金保有量の2014年ランキングをみてみましょう。
1位 アメリカ
2位 ドイツ
3位 IMF
4位 イタリア
5位 フランス
6位 ロシア
7位 中国
8位 スイス
9位 日本
10位 オランダ
全世界の金のほとんどを先進国の中央銀行が保有しているのがわかります。金という現物資産への分散投資でリスクを管理しているのでしょう。
やっぱりアメリカが1位、3位にIMF(国際通貨基金)が名を連ねていますね。
日本は9位にランクインしています。そのひとつ上の8位が中国なんですね。
近年の各国の金保有量の推移を見ると、面白い事実がわかります。
上位にランクインしている主要な国々の金保有量はほぼ横ばいですが、新興国の中央銀行が保有する金の量が急激に増えているのです。特に中国がすごい勢いで世界中の金を買っています。
不景気で保有金を売却するかも?
中国と共に新興国も、金の保有量が大幅に増えています。
中国経済がこのまま下降線をたどったとしたら?
保有している金を売却する流れが発生するかもしれません。
アメリカの金利を引き上げる発表で最も打撃を受けたのは、新興国通貨です。
アメリカの利上げが続いて新興国から投資資金が引き上げられ、新興国経済が停滞したとしたら?
保有している金を売却する流れが発生するかもしれません。
2011年のリーマンショック当時は、世界的な金融不安の中で金の価格は上昇しました。その後金価格は史上最高価格を更新し、世界経済が安定するにつれて徐々に値段を下げていきました。
しかし今の金チャートをみると、金は逃避資産として機能していないことがわかります。
これからリーマンショックと同等かそれ以上の金融不安が発生したとしたら、金の価格は2011年とは全く違った動きをする可能性がありますね。
今のところ、投機資金の逃避先に日本円が選ばれている所為で、円高が進んでいます。これも消去法で逃避先が日本円しかなかったってのが正直なところでしょう。
あくまでも予想ですが、こらからしばらくは金価格の下落と円高が進みそうな気配です。
アメリカの利上げ発表で2016年は円安が進みそうな予感がしていたんですが…未来がどうなるかなんてわからないものですね(^^;