イギリスのEU離脱がほぼ確実になったとの報道を受けて、麻生副総理兼財務大臣が緊急会見を行いました。
その発言内容を全文紹介します。
麻生副総理の会見内容
世界経済、金融、為替等々、与えるリスクについては、きわめて憂慮しているところであります。
世界経済の成長には為替・金融の安定がきわめて重要と考えていますが、とりわけ足元の為替市場では極めて神経質な動きがみられているように思っております。
そのような動きが継続するということがないように、為替市場の動向を今まで以上に緊張感をもって注視して、必要な時にはしっかりと対応してまいりたいと考えております。
なお、外貨の流動性の確保というものについては、日銀が各国中央銀行ととり結んでおります通貨スワップの網を活用するなどによって、必要において対応は可能であるという風に承知しております。
私のほうからは以上です。
記者との一問一答
為替介入の可能性は?
「今はまだ申し上げられる段階ではありません」
英国がEUを離脱した場合の経済への影響は?
「いろんなことが考えられると思いますが、少なくとも離脱したから急にどうなるとか、2年先の話ですから、急にどうなるとかいう話ではありませんけど、いわゆる為替とか、そういったことに関していろんな話をしております」
一時(円ドルが)100円を切りましたが、為替介入はあったでしょうか?
「…何年やってんだ?」(と小声でつぶやき無視!)
外国政府に委託介入することは?
「毎回言っているように、為替についてコメントすることはありませんから」
そして、くだらない質問にうんざりするように退席
これからどうなる?日本経済
発言をまとめると「必要な時は為替介入しますよ!」というスタンス。
つまり、いつもの日銀ってことですね。為替の安定が経済成長つながるという考えなので、今起こっている為替の混乱が長期化したり、乱高下しすぎた場合は為替介入の可能性も十分あるでしょう。
また、麻生副総理の発言で目を引くのが「流動性の確保」という言葉。
あまりにも円が買われすぎてしまうと、外貨の流動性が滞る可能性があります。そういった金融市場の混乱で金融機関同士の資金確保にも支障が出る可能性があります。このまま混乱が激しさを増した場合、日銀は”各国と協力してガッツリと対策に取り組みますよ”という姿勢を見せたわけですね。
日本円は世界の通貨の中でも、かなり特殊な通貨です。
長期的に不景気で、ゼロ金利政策どころか一部でマイナス金利すら行っているのに”安全通貨”として機能しているのですから。
日銀の金融対策といっても、もう選択肢は「量的緩和」しかない状態。世界経済への影響も大きい日本円の舵取りはかなり難しそうです。ともあれ、日銀の動向にはいつも以上に注視する必要がありそうですね。
FX投資的には、今後の円はボラティリティが大きくなる可能性があります。
日銀のちょっとした発言で、為替が必要以上に大きく動く可能性があるので注意しましょう!