2016年9月21日は日銀決定会合の発表が行われ、特に午後からは大きく為替が動きました。
こちらの画像は、2016年9月21日のドル/円10分足チャートです。
午前中はほとんど動きがなかったものの、13時10分くらいに急変!
大きく下落した直後に、反転して上昇しました。
その結果、14時00分に高値1ドル=102.788をつけます。
しかしその後は下がり続け、安値は丁度日をまたぐ0時くらいの1ドル=100.553円でした。
為替が大きく動き出した13時00分と、上昇相場が一転して下降に転じた14時00分には何があったのでしょうか?
日銀決定会合の発表の前後の為替の動きについて
午前中の動き
2016年9月21日の午前中は、あんまり大きな動きのない相場でした。
その理由は午後に日銀決定会合の結果公表を控えているから。その発表内容次第では、円が大きく買われたり、大きく売られたります。
そのため、円クロスの取引が控えられて、相場の動きもイマイチだったのです。
こういった日銀決定会合の結果発表前の円は、ハイリスク・ハイリターンであるため、あんまり保有していたくない。つまり、「円売り」の動きがでる傾向にあります。
事実、9月21日の午前中は、小幅ながら円安傾向でした。
13:10時の動き
日銀決定会合の発表は13時21分頃になりました。
その10分前から為替は大きく変動していますが、これは投機筋の思惑買いだと思われます。(本当のところはわかりませんが…)
トレーダーは日銀決定会合の発表前に、緊張しながらチャートと対峙していたと思います。そこでもし、一つの方向に為替が急激に流れたとしたら?
「ひょっとして、なにか重大なこと発表された!??」
と思い、思わず流れた方向にエントリーしてしまうでしょう。極度の緊張感の中で生まれた投機筋の先走り。
13時10分にいきなり始まった円高ドル安の動きも、この投機筋の動きなのではないでしょうか。
13時20分からは上昇傾向に
で、実際に日銀決定会合の発表が行われたのが、13時1分、そしてネットニュースなどに流れ出したのが13時21分です。
日銀の具体的な政策はふたつ。
①長短金利の操作を行う「イールド・カーブ・コントロール」
②消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」
なんだか難しい専門用語がならんでいますが、結局のところ「金融緩和を頑張って続けるよ~!」ってことです。
金融緩和は円安を引き起こします。
関連記事:量的金融緩和政策とは?わかりやすくFXや為替との関係を説明
これにより、円ドルは円安ドル高の方向に向かいはじめます。
15時30分から下落が始まる!
14時に高値を付けたドル円ですが、その後はそれほど上下せずに推移します。
しかし、15時30分から明確に円高ドル安方向に動き出します。
その理由は、15時30分に行われた黒田日銀総裁の発言。
「今後は短期金利と、10年物国債金利のふたつを操作目標にする」「長期国債買い入れ額を80兆円から増減もあり得る」といった内容でした。
長期国債の増減もあり得る…買い入れ額を増やすかもしれないし、減らすかもしれない。これらの発言は、特に買いの材料や売りの材料にならないと思います。
ですが、この黒田総裁の発言をもって日銀決定会合の発表は終了、サプライズももう終わり!と投機家が感じ、そのため利食い売りが発生。その結果、円高ドル安の方向に行ったのかな~と個人的には思っています。
今回の日銀決定会合の発表は、トータル的には「円安」に向かうであろう内容でした。
しかし為替を見ると、発表前と比べて円高ドル安が進んでしまっています。
「なんだ、この程度か。もう日銀の金融緩和も限界だな…」
「こんなんじゃ、景気回復とか、2%インフレとか無理だよ」
「失望した!!」
そんな意見もあるようです。
この発表が今後どのように市場に影響を与えるのでしょうか?
マイナス金利という無茶な金利政策に手を出した黒田総裁と日銀の金融政策が間違っていないことを祈ります…。