市場雑感

北朝鮮の核爆弾実験の為替への影響と今後の動きは?

2017年に入って頻繁にミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮ですが、ついに9月3日の日曜日に6度目の核実験を行ったという報道がなされました。

その実験規模は過去最大であり、ミサイル技術の進展と相まって、国際社会が緊張感を増しています。

この北朝鮮の動きは、円という通貨にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 

もし万が一戦争が起きたとしたら、世界中のお金は「安全な資産」へと向かいます。

具体的には”金”が実物資産として一番人気が高いでしょう。戦争の危機には金価格が上昇する傾向にあります。

「金を買わなきゃいけないの~?めんどくさい!」

そんな人のために、金価格に連動するETF(上場投資信託)が東証に上場しています。

例えば証券コード1328の「金価格連動型上場投資信託」や1540の「純金上場信託」ですね。これらの銘柄は、北朝鮮が不穏な動きをすると値上がりする傾向にあります。

 

日本円も金地金に引けを取らない安全資産です。本来であれば、世界に戦争の危機が訪れた場合、円は買われて”円高”になります。

ですが、今回はちょっと事情が違います。

戦争の危機の中心地は、お隣の国北朝鮮。日本方面にも何度もミサイルが発射されています。

もし朝鮮半島で戦争が勃発した場合、日本にも被害が及ぶ可能性があるのです。

戦争で日本に実害があったり、経済に打撃を被った場合は、円が売られる、つまり”円安”になります。

 

北朝鮮の核実験は、「円高の要素」と「円安の要素」という相反した要素が含まれているということになります。

では、北朝鮮の核実験後に、実際に円の為替はどのように動いたのでしょうか?

北朝鮮の核実験後のドル円の動き

こちらが、北朝鮮の核実験の翌日9月4日のドル円のチャートです。

思いっきり、円高ドル安の方向に動いてますね。

これはつまり、隣国で核実験が行われている(かもしれない)っていうのに、日本円は安全だという風に判断されたということ。

「リアルに戦争になった場合、日本国内の企業などが海外の資産を日本円に戻す動きがあるだろうから、だからそれを見越して円高になるんだ」なんて意見もありますが、個人的には「危ないときは日本円を買っとけ」という投資家の条件反射的な判断(先入観)の方が強い気がします。

 

もしこれから北朝鮮の行動がエスカレートしていったとしたら…少なくともドルと円の為替間であれば、ドルの方が強くなる気がするのですが。

でも、為替は実際に事が起こってみないとどう動くのかはわからないので、何とも言えないですね~。

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