市場雑感

北朝鮮がミサイルを発射して戦争が起きたら為替はどう反応するのだろう?

北朝鮮が今までにないほどの頻度でミサイル実験を行っていて、朝鮮半島の緊張が高まっています。

剛腕のトランプ米大統領も強硬手段を辞さない構え。日本も北朝鮮からミサイルが発射されたらどう対処するべきかをテレビCMで放送するくらい。

でも、実際に北朝鮮とアメリカや韓国が戦争状態にまで発展したとしたら、そしてその戦争に日本が協力することになったとしたら…為替の動きはどうなるのでしょうか?

北朝鮮がミサイルを発射した後の為替の動き

2017年8月26日土曜日に北朝鮮が、日本海に向けて数発の短距離ミサイルを発射したとの報道がありました。

北朝鮮がミサイルを打つと為替はどう反応するのでしょうか?

 

翌週の月曜日のドル円の動きは…

なんだか中途半端な動き。とにかく、北朝鮮がミサイルを発射した影響はそれほどないように思います。

というのも、このミサイル発射実験はすべて失敗したという報道があり、それほど深刻な状況になっていないから。

 

ですがもし、北朝鮮がグアム本土や日本を標的にミサイルを発射し、戦争状態に突入したとしたら円はどうなるのでしょうか?

 

日本円は高い信頼と安全性を兼ね備えた、世界最強の通貨!!であるといわれています。(もちろん、それは幻想ですが)

昔から「有事のドル買い」といわれていて、有事、つまり戦争が勃発したら安全通貨である米ドルを買っておけば大丈夫といわれています。ですが、近年ではその動きも怪しくなってきているのも確か。世界的な金融不安のなかでは、むしろ米ドルが積極的に売られることもよくあります。

金融危機、戦争、テロ…全世界の通貨が混乱しているときに、その資金が集中するのが日本円です。

安全通貨と呼ばれたスイスフランも、今では完全に安全とは言えなくなっているので、相対的に日本円は有事の際にとても買われやすい状況になっている感じがします。

 

もし世界のどこかで大きな戦争が起きたり、リーマンショックのような世界的な金融不安が巻き起こった場合、日本円は大きく買われる可能性が高いでしょう。

 

ですが、北朝鮮との戦争が勃発した場合は、ちょっと違った動きになる可能性があります。

北朝鮮は日本の隣国です。

北朝鮮との戦争で実際に戦争をするのは韓国軍やアメリカ軍かもしれませんが、ミサイルの射程距離内であるのは確かなので、国内の米軍基地が標的になる可能性もゼロではありません。

そう考えたとき、こと北朝鮮との戦争に限っていえば、日本円は安全通貨として機能しない可能性があります。

日本円や韓国ウォン、ついでに米ドルも売られるかもしれません。逆に、ユーロやオーストラリアドル、NZドルなんかは通貨の回避先として選択されるかもしれません。

 

実際に起こってみたいと為替がどう動くかはわかりませんが、北朝鮮が震源の有事が発生した場合は「有事の日本円買い」は通用しない気がしますね。

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