市場雑感

仮想通貨市場の拡大がドルや円などの為替へ及ぼす影響とは?

最近はビットコインなどの仮想通貨が暴騰し続けて世間を賑わせています。

2010年に2枚のピザがビットコインで決済されたのだけれど、そのビットコインを今まで保有し続けていれば10億円以上の資産になっていたらしいです。

羨ましいというか、なんというか…。

値上がりしすぎてビットコイン買いたいけど、いつかっていいか分からないよ~!!なんて人も多いと思います。

 

パッと見、なんとも凄まじいバブルですが、とはいえまだまだ仮想通貨市場は小規模です。

今のところ、ほかの金融商品や為替への影響はほとんどありませんが、もしこの勢いのまま仮想通貨市場が拡大をし続けたとしたら?

拡大した仮想通貨市場は、円、ドル、ユーロなどの為替市場にどのような影響を与えるのでしょうか。

仮想通貨市場の為替への影響

まず結論を申し上げると、仮想通貨市場の拡大は現実通貨の価値を押し下げる要因になると思います。

日本人がビットコインを購入するということは、円を売却してビットコインを購入すること。つまり、円安・ビットコイン高の流れになるわけですね。

 

世界中の余剰資産は、常によりよい投資先を探し求めています。

「インドや中国が景気よさそうだぞ!!」となれば、それらの国に資金が流れ込みますし、「なんか世界経済がヤバそうだぞ!?」なんてことになれば金地金などの現物資産に資金が流れ込みます。

投資家は株や投資信託を購入して投資をしていますが、投資をしていない人たちだって、銀行に預金しているだけでも銀行がかわりにいろんなところに投資しているわけですし、間接的に世界経済にかかわっているといっていいでしょう。

私たちの資産もまた、金融界のトレンドの流れにまかせて、直接的に、あるいは間接的に、いろんな金融商品に投資されているのです。

 

もし、仮想通貨がこのまま貨幣としての地位を拡大し、市場規模が拡大したとしたら、それは「他の金融資産に流れ込むはずだった資金がかわりに仮想通貨に流れ込む」ということを意味しています。

円、ドル、ユーロなどの通貨の価値は、相対的に下がっていくでしょう。

株や債券などの金融商品も値下がりする要因になります。

 

「えっ!!じゃあ早くビットコイン買っとかなきゃ!!!」

なんて考えるのは早計です。

現段階でも何種類もの仮想通貨がありますが、それら全体を合わせても、まだまだその市場規模は小さく、主要通貨に影響を及ぼすほどではありません。

それに先ほども申し上げた通り、仮想通貨はかなりのバブル状態。いつ暴落してもおかしくありませんし、逆にこのまま暴騰を続けていく可能性だってあります。

値動きが激しい状態であり、投資先としてはハイリスク・ハイリターンすぎますね。

 

ただ、”いま”は為替への影響はないものの、”これから”はわかりません。

仮想通貨のこれから

仮想通貨には今までの通貨にはない特徴があります。

①発行体がない。

②世界中に手数料割安で送金できる。

その中でも、この2つが仮想通貨大きなメリットです。

発行体がないってことは、管理する大本の機関がいないってこと。デフォルトの心配もないし、日本円のように日銀の政策にいちいち振り回されることもないでしょう。ですが、それは何らかのトラブルが発生した場合に、すべてが自己責任で済まされてしまうことでもあります。

そこらへんのバランスを上手く取れれば、仮想通貨は一気に市場を拡大させていくでしょう。

 

今のところ、仮想通貨は値動きが激しすぎて投機家のおもちゃ状態。実際に街中で決済に使うのには、まだまだ時間がかかりそう。

かといって、値動きを安定させるために円やドルなどの主要通貨と完全にシンクロするような仮想通貨を作るのは…なんだか難しそうです。

 

実際に”通貨”として仮想通貨が使われるのは、信頼性の高い日本円がある今の日本では難しいでしょう。

ですが、投機先としては旨味があります。

莫大な資産を運用するヘッジファンドのファンドマネージャーが、仮想通貨を新しい投資先として考えているとか。

仮想通貨市場が通貨として成立するかはわかりませんが、大儲けのチャンスのある投機先としては、これからも拡大していきそうですね。

まとめ

仮想通貨の市場規模が拡大し続ければ、為替の値下がり要因になります。

だけど、今のところ市場規模が小さすぎるので影響はほぼないに等しいです。

ただし、これからの流れ次第では無視できない存在感を示すようになるでしょう。

 

仮想通貨は投資先というよりも、投機先として余剰資金を投資するのが良さそうですね。

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