あの2008年に発生したリーマンショックを凌ぐような、「世界的なバブル崩壊」が迫っていると予測する専門家が増えています。
その内容と、史上最悪のバブル崩壊が発生した場合に持っているべき資産について解説します。
現在の世界経済は実体経済を伴わないバブル状態となっている
「史上最悪のバブル崩壊迫る」米著名アナリスト、ペント氏が警告
2008年のリーマンショック後、強引な景気押しあげを狙った中央銀行が作りだした巨大なバブルが弾け、「すべての資産価値が暴落する」「リーマンショックがただの予兆であった」と悲観的な見解を示した。
世界的な金融緩和政策で大量の紙幣が循環し、政府や企業の債券あるいは債務が膨張。低金利によってますます値上がりする債券価格とは対照的に、利回りは最低水準にまで落ちこんでいる。
この状態で「買い」に歯止めがかかれば、当然ながら債券価格の上昇は頭打ちする。その先に待ち受けているのは、リーマンショックをはるかに上回る規模の経済危機だ。
ZUU online(9月26日)
中国経済の減速が最大の脅威 ロゴフ氏インタビュー
ロゴフ氏は、世界の経済成長のけん引役のひとつである中国経済が「ハードランディング」する可能性が全くないとは言えないと語った。同氏は、「中国は現在、大きな政治的革命のさなかにあり、経済の減速は公式な統計が示すよりもずっと大幅だろう」と述べた。
BBC News(9月26日)
ソロス氏は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催されているスイス・ダボスからブルームバーグTVに対し、「ハードランディングは不可避」と言明した。「これは予想ではなく、実際に目にしていることだ」と述べた。
ロイター通信(9月21日)
ハードランディングとは「硬着陸」という意味で、安全でスムーズな着陸であるソフトランディングとは正反対の状態。
つまり、ハードランディングは危険で墜落に近いような着陸ってこと。
専門家は中国経済がハードランディングする、つまりリーマンショックのような急激な崩壊をしてしまう危険性が高まっていると考えています。
リーマンショックの時に、ある意味では”世界経済を救った”中国の金融政策の”ツケ”が、今になって現れてきたということでしょうか…。
混乱の世界で持っているべき資産は?
中国のバブルがいつ弾けるのかはわかりませんし、世界不況のきっかけがほかの国である可能性もあります。
きっかけはどうあれ、もし全世界が同時にバブル崩壊し、全世界が同時に不況になったらどうすればいいのでしょうか?
通貨で言うなら、持っているべきは「円」です。
世界経済が不安定になると、避難通貨として無条件に円が買われる傾向があります。リスクのあるほかの通貨や資産を売却して、少しでもマシな円に資金が流れ込むのです。(円が安全とは言い切れないのですが、関係ありません)
リーマンショックの時も、直前まで1ドル=120円を付けていたのに、80円以下になるまで円高ドル安が進みました。
かつては避難通貨として機能していたのは、「円」以外にも「スイスフラン」がありました。ですが、スイスの中央銀行が金融政策を見直した結果、スイスフランの安全性が下降。その結果、世界中の通貨の中で最も安全という印象を持たれているのが”円”だけといういびつな状況になっています。
もし、バブルが崩壊したら、円ドルは再び80円を割り込む可能性があるでしょう。
次に通貨以外の資産です。
もし世界同時多発的にバブルが崩壊したとしたら…持っているべき資産は”金”です。
金本位制が崩れて、金そのものに価値はなくなっているのですが、人間の本能はいまだに”金には価値がある”と勘違いしています。そのため、金融不安が巻き起こると金が買われるのです。(安全とは言い切れないのに避難通貨として機能している円と、どこか似ていますね)
バブルが崩壊すると株は大暴落します。不動産も暴落します。石油などのエネルギーも、需要の低下がみこまれ暴落します。そのほかの鉱物資源も、同様に下落します。
そんな中で、避難先として膨大な資産の向かう先は”金”なのです。
といっても、金地金を買うのは中々難しいですよね。
オススメは金に投資している投資信託を買っておくこと。特におすすめは、金の上場投資信託です。東証にも数種類、上場しています。
具体的には銘柄コード1328の「金価格連動型上場投資信託」や、1326の「SPDRゴールド・シェア」などですね。
上場投資信託であれば、売買手数料もそれほどかかりませんし、信託報酬も少ないのでお得です。
まとめ
世界経済がむちゃくちゃになった場合に購入するべきは、「円」と「金」です。
世界中が不況になると、給料は上がらないし、倒産する会社も増えるでしょう。
ですが、投資家的な視点で見ると、ある意味では大きなチャンスなのかもしれませんね。