GDP(国内総生産)は国の経済力を図る、もっとも有効なマクロ経済指標の一つです。
では、GDPが上がったら日本円は円安に動くのでしょうか?それとも円高になる?
GDPの為替への影響をすっごく簡単に紹介します。
GDP(国内総生産)と為替の関係
GDPはその年に国内で産みだされたモノやサービスの付加価値を合計したものです。ドラゴンボールの戦闘力のようなもので、高ければ国の経済力は強い!低ければその国の経済力は弱い!ってことになります。
そんなGDPの成長率は、為替にも大きな影響を与えます。
GDPとはなにか?なんて難しい話は置いておいて、まずは結論から申し上げます。
GDPの高い国の通貨は通貨高になります。つまり理論上、日本のGDPが上昇した場合、為替は円高になるということです。
GDPの低い国の通貨は通貨安になります。つまり理論上、日本のGDPが下降した場合、為替は円安になるということですね。
では、GDPが高いとなぜ通貨は買われるのか?大雑把な仕組みを3ステップで説明します。
①GDPが高い=内需が好調で好景気!
②景気が良くなりすぎると、中央銀行が金融引き締め政策を実施するかもしれない。つまり利上げ!
③利上げすると通貨が買われて高くなる。もちろん「利上げするかもしれない」でも通貨高になる。
GDPは低い場合は、これとは逆のことが起こり、通貨が売られます。
では実際に、アメリカと日本のGFP成長率の推移と為替の関係を観てみましょう。
アメリカと日本のGDP成長率の推移
アメリカ | 日本 | |
2011年 | +1.8 | -0.6 |
2012年 | +2.2 | +1.9 |
2013年 | +1.9 | +1.0 |
2014年 | +2.6 | +1.6 |
この推移をみれば明らかですが、ず~っとアメリカの方がGDP成長率が良いです。日本も東日本大震災のあった2011年はマイナスになっているものの、2012年からはずっと辛うじてプラスになってますね。
ですが、アメリカと日本という2国間だけで見るのなら、常にアメリカの方が経済的に成長しているということになります。
ということは、GDPだけで判断するのなら、米ドル買いの日本円売りという流れになります。
実際のドル/円はというと、2011年初旬には1ドル=80円くらいでしたが、その後円安ドル高が続き、2014年末には1ドル=120円を付けています。
もちろん為替を動かす要因は、2国間の国力の差だけではありませんが、2011年~2014年の急激な円安の原因の一つにGDP成長率があった可能性はありますね。
GDPの発表はどこでされるの?
GDPは内閣府が4半期ごとに計算して発表しています。
その内容は内閣府のホームページで確認できます。ここを確認すれば、GDPの発表内容から、今後の発表予定まですべて知ることができます。
ちなみにGDPは計算がめっちゃ大変なので、取りあえずの概算として1次速報が、その1か月後に2次速報が、と何度も発表されます。
GDPは国の経済力を端的に表す”戦闘力”のようなもの。だとすれば、経済ニュースで「GDPが上がった~」「GDPが下がった~」と取り上げる理由もわかるのではないでしょうか。
もしこれから日本のGDP成長率が下がり続けたとしたら…本格的な円安の時代に突入するかもしれません。
1ドル=120円どころか、もっと円安ドル高になる可能性もあるので注意が必要ですね。