FXのファンダメンタル分析

テクニカル分析とファンダメンタル分析を併用して勝率を上げよう!!

FXトレーダーのほとんどはテクニカル分析を主軸に、そのトレードを行っていると思います。

販売されているFXの本を読んでみても、ほとんどがテクニカル分析についての説明に終始しているものばかり。

特に経済のことがあまりわかっていない初心者は、チャートしか使わないテクニカル分析の方が理解しやすく、難しい経済指標を理解するよりも、複雑なテクニカル分析の勉強を熱心に行う傾向があります。

ですが、テクニカル分析だけを頼りにしてトレードしていると、いつか壁にぶち当たるでしょう。

テクニカル分析とファンダメンタル分析を併用してトレードを行うコツを紹介します。

ファンダメンタル分析の重要性

「市場の情報はすべてチャートに内包されている」

これは効率的市場仮説と呼ばれる考え方。

そのため、チャートを厳密に分析して得られた結果は、ファンダメンタル的な要素も含まれている。生粋のテクニカル分析トレーダーはそのように考えます。

実際のところ、為替市場がどれくらい効率的に動いているのかはわかりませんが、チャートだけで市場を判断するのは少しばかり危険です。

なぜなら、為替市場は長期的に見るなら、中央銀行の思惑通りに動いているからです。

FXは長いものに巻かれないと生き残れない

「長いものには巻かれよ」とは、「力のある者には、逆らわないほうが得である」という意味のことわざです。

FXトレードにおける”力のある者”は、1日で何十億と取引するカリスマ個人トレーダーでもなければ、膨大な資金を運用する大手ヘッジファンドでもありません。

金融政策を決める中央銀行です。

日本では”日本銀行”がそれに当たります。

日銀の行っている金融政策が円安を引き起こすのか、それとも円高を引き起こすのかを知っておくのはとても重要です。

それと同時に、日銀が円を安くしたいと思っているのか、それとも高くしたいと思っているのかを知っておくのも大切。

 

日銀が円安圧力を高めるような政策をしているのに、チャートが円高になるようなシグナルをだしていたとしましょう。中長期的な視点で見ると、絶対に円安方向に流れます。

もちろん、過剰な為替介入で円を思い通りに動かそうとすれば、各国から批判されることになります。ですが、じわじわと為替を誘導することは当然のようにできますし、ある意味でそれができなかったら通貨の安定性をコントロールできなくなり、日銀の存在理由がなくなってしまうでしょう。

FXでは孤軍奮闘して巨人に立ち向かうよりも、長いものに巻かれて安全に生活する方が理に適っているのです。

2016年の金融政策は円安方向に向かうもの

2016年の1月に重要な金融政策の実行が決定されました。

「マイナス金利政策」です。

マイナス金利政策が行われると、円は持っていても損をするばかりなので売られます。つまり、円安になるってこと。

おかげで2016年初頭には1ドル=120円を付けたこともあったのに、半年後には100円を下回ることもあるくらいに円安が進みました。

201601

これが2016年1月~9月のドル/円チャートです。

2015年は上昇トレンドでしたが、2016年になって一気に逆方向に進んでいます。短期的に見れば上下していますが、長い目でみればキレイに下降トレンドを描いていますね。

この大きな下降トレンドのきっかけとなったのがマイナス金利政策の発表なのです。

5分足をチェックして、毎日あくせくと取引している個人トレーダーも、巨人たる日銀の前では1匹のアリでしかないようです…。

テクニカル分析とファンダメンタル分析を併用しよう!

ファンダメンタル分析(日本銀行の金融政策)はFXにとって、めちゃくちゃ重要。いくら個人投資家でも無視するわけにはいきません。

たしかに1日で決済が終わるデイトレーダーであれば、このような中長期的な視点は必要ないかもしれません。ですが、それでも市場全体がいま円安方向に向かっているのか、それとも円高方向に向かっているのかを理解するのは、勝率を上げるためにとても重要です。

その”為替の方向性”は日足チャートや週足チャートを見るよりも、日銀の金融政策をよく理解して「日銀がどうしたいのか?」を理解する方が確実なのです。

 

もちろんテクニカル分析は無駄ではありませんし、とても有効な武器になります。ですが、ファンダメンタル分析の視点を加えることで、さらに勝率は上昇するでしょう。

「ふたつのテクニカル分析を併用する」とシグナルがちぐはぐになる場合があり、有効に機能しない場合があります。それよりも「テクニカル分析とファンダメンタル分析を併用する」方が相乗効果を発揮するのです。

 

「ファンダメンタル的に市場は円高方向だ。テクニカル分析では円安ドル高のシグナルが出ているからドルを買ってみるけど、そんなに上昇しないだろうな…」

「金融政策の結果、しばらくは円安が続くだろう。テクニカル分析でも円安のシグナルがでるまでエントリーするのは控えよう」

ファンダメンタル分析とテクニカル分析を併用すれば、そんな風にトレードすることができるでしょう。

為替市場を俯瞰して”力ある者”の考えを読むことができれば、FXトレードでも生き残れる可能性が上がるのではないでしょうか。

 

FXではプライドを捨てて、どんどん長いものに巻かれていきましょう!!

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