ベーシックインカムは最近ヨーロッパの方で導入が検討されている、新しい社会保障制度のひとつです。
その内容といえば、赤ちゃんからお年寄りまで全国民に無条件で一定の金額を支給するというもの。これにより、国民全員が最低限の生活を送ることができます。
そのかわり、年金や健康保険、生活保護などの制度がなくなり、国が管理する費用や人件費が大幅にカットすることができます。
国のシステムが簡素化されることで、莫大なコストカットが実現され、それがベーシックインカムの財源となるのです。
それに導入されれば生活保護の不正受給といった問題が、根本的になくなります。
フィンランドは2017年から実験的にベーシックインカムを導入してみるようです。
「ベーシックインカムが導入されたら、働く人いなくなるんじゃない?」
もちろん大幅なコストカットだけで財源は補えません。財源はどうするかなど、ベーシックインカムにはさまざまな問題がありますが、新しい社会保障制度の形として検討する価値はあるでしょう。
では、もし日本でベーシックインカムが導入されたとしたら…?
その時、日本円の為替にはどのような影響が考えられるのでしょうか?
日本でベーシックインカムが導入されたら為替はどうなる?
これはあくまでも私の勝手な予測であり、本当にそうなるとは限らないのですが…もし日本でベーシックインカムが導入された場合、物価や株価は上昇し、円安になるような気がします。
ヨーロッパの例や、日本の物価を見る限り、もし日本でベーシックインカムが導入された場合は、ひと月に支給される金額が10万円~15万円程度だと予測されます。
あくまでも最低限の生活は送れますが、もしもっと贅沢したい場合は働いて稼ぐ必要があります。
では、ベーシックインカムが導入された場合に市場はどうなるのでしょうか?
給料は上がる!?
まず、今までよりも給料が上がる可能性があります。
例えば時給850円で募集していたバイトも、国から毎月10万円以上貰えるのなら、わざわざやる必要もありません。
もちろん、正社員の給料も上昇するでしょう。
ベーシックインカムによって労働意欲が低下する→給料が低い場合は退職する→働いてもらうためには給料を上げるしかない
こんな感じの流れになるのではないでしょうか。
物価は上昇する!?
ベーシックインカムが導入されて、人件費が上昇するとどうなるか?
それは物価に跳ね返ってきます。
販売、物流、商品開発、すべての人件費が上昇することで、店頭に並ぶ商品の価格も上昇すると考えられます。
つまり、国民に一定の金額を支給することによって、円の価値が下がる(物価が上がる)のです。
ベーシックインカム導入が原因で物価が上昇し、ベーシックインカムでもらう金額だけでは最低限の生活すら送れない可能性もあるのです。
株高で円安になる!?
「物価が上昇する」ということはイコール「円の価値が下がる」ということです。
円の価値が下がると、例えば今まで100円で買えていたものが、110円出さないと買えなくなってしまいます。
同様のことが株式市場でも起こり、円の価値が下がった分、株価が上がるでしょう。
為替市場では円安の圧力が高まるはずです。
ベーシックインカムまとめ
もちろんこれはあくまでも想像なので、実際にそんなことが起こるとは限りません。
日本でベーシックインカムが導入されるなんてことも、今のところまったくないようです。
ですが、もしヨーロッパ全土でベーシックインカムが導入されたらどうなるでしょうか?
ヨーロッパ市場の株価は上昇し、ユーロは下落するかもしれません。
もちろん、ベーシックインカムでヨーロッパ経済がめちゃくちゃになるという観測から株価が暴落し、同様にユーロも暴落する!なんて可能性もありますが…。
このような国の構造の変化も為替に大きく影響を与えます。もし、どこかの国でベーシックインカムが導入されるなんてニュースを観たら、為替が大きく変動する可能性があるのを留意しておいた方がいいかもしれませんね。