為替相場では、これといった特別な理由がなくトレンドの流れが鈍ったり、急に反転したりする場合があります。
その原因は「マーケットの壁」かもしれません。
マーケットの壁を利用して逆張り注文を行う方法をお伝えします。
マーケットの壁とは!?
「マーケットの壁」とは、簡単に言ってしまえば「強い抵抗線がある価格帯」ということになります。
何度も為替がその抵抗線にぶつかっては跳ね返される。なかなかそこを突き抜けて、ブレイクしていかない。そんなまさに厚い壁のような抵抗線。
ではさっそく例を見てみましょう。
この画像は2016年9月22日~27日のドル円為替の30分足です。
1ドル=101円~100円の間でボックス相場を形成しています。
画像に引いてある白い線、ちょうど1ドル=100円あたりに厚い「マーケットの壁」がありそうです。(もちろん予測です)
100円の壁をブレイクできずに、何度か反転していますね。
マーケットの壁は節目の価格帯で特に厚くなります。
この場合、1ドル=100円が大きな節目になります。
もしこのまま円高ドル安が進み、1ドルが100円を切ったとしたら、「○○ぶりに1ドル=100円を切りました」とニュースで大きく取り上げられるでしょう。
特に理由はありませんが、ただ切りのいい数字というだけで、それが心理的に重要になるのです。
マーケットの壁でのトレード法
厚いマーケットの壁がある場合は、基本的に逆張りの戦法を取ります。
先ほどの30分足チャートを例にとれば、「1ドル=100.05円のところで買いの指値を入れておいてリバウンドを狙う」なんて方法が考えられますね。
厚いマーケットの壁での逆張りは、短時間で大きな利益を上げられるチャンスでもあります。
でも、予想とは裏腹に易々とマーケットの壁がブレイクされてしまう可能性もあります。
その場合は注意!
1ドル=99円台に突入しても「いや、そんなに下がらないでしょ。日銀が介入するかもしれないし…」なんてぐずぐずして損切りしないのは自殺行為です。
節目のマーケットの壁をブレイクした場合、急激にその方向にトレンドが進んでしまう可能性があります。為替介入なんて楽観的な思考は捨てて、迅速に損切りしましょう。
マーケットの壁近辺の取引は注意!
節目となるマーケットの壁では、反転を狙う逆張りトレーダーの注文と、ブレイクした後のトレンドを狙う順張り投資家の注文が集中するポイントです。
①マーケットの壁にアタックした後に反転する可能性が高い。
②万が一マーケットの壁をブレイクスルーしたら、そのまま流れが継続する。
マーケットの壁の特性を上手く利用すれば、大きな利益を上げられますが、判断が遅れた場合は損失も大きくなる可能性があります。
もし為替が節目の価格帯に近づいて来たら、マーケットの壁を意識して取引をしましょう。