「アメリカ雇用統計」という言葉。為替関連のニュースを見ていると、よく耳にするフレーズです。
このアメリカ雇用統計の発表内容によって、米ドルの為替は大きく動きます。
米雇用統計の発表スケジュールと、それがどういったものなのかを紹介します。
米雇用統計とは?
米雇用統計とは米労働省労働統計局が発表する、アメリカの雇用状態の統計を発表したものです。
雇用統計には「製造業就業者数」や「小売業就業者数」など、たくさんの種類がありますが、最も重要視されているのが「非農業部門雇用者数」です。
一般的にニュースで「米雇用統計」と報道されたら、それは「非農業部門雇用統計」のことだと思っていいでしょう。
景気が上がれば失業者が職にありつけるので、雇用統計も良くなります。
逆に不景気になればリストラで失業者が溢れ、雇用統計の結果が悪くなります。
この非農業部門雇用統計はアメリカの景気とほぼ連動する為、発表される指標の中でも最も重要視されるもののひとつです。
非農業部門雇用統計の発表スケジュールは?
非農業部門雇用統計は毎月1回発表されます。
毎月第1金曜日のNY時間で8:30時、日本では夏時間は21:30時、冬時間は22:30時です。
つまり、毎月第1金曜日はドル円為替が大きく動くデンジャラスな日という事になります。
ボラティリティが圧倒的に高くなり、ハイリスク・ハイリターンの市場環境になるという事ですね。いつものようにのんびり寝ていたら、土曜日の朝に為替を確認して蒼白になるかもしれません。
その月の最初の金曜日は、なるべくポジションを整理した方が良いかもしれません。
米雇用統計をFX投資に生かすには?
米雇用統計で最も大事なのは発表された数値ではありません。
最も重要なのは市場予測とのかい離です。
非農業部門雇用統計で先月よりも雇用者数が20万人増えた、という発表があったとします。
でも事前の市場予測が30万人増だとしたら、それは悪いニュースとなり米ドルは売られるでしょう。
もし事前の市場予測が10万人だとしたら、20万人増はグッド・サプライズとなり、米ドルが買われるかもしれません。
発表された数字よりも、事前予測とのかかわりの方が遥かに重要なんですね。
では、この非農業部門雇用統計をどのように活用すればいいのでしょうか?
非農業部門雇用統計は発表された瞬間に、大きく為替相場を動かします。自分で発表された数字を検証する暇なんて1秒もないでしょう。
もうニュースの内容確認する以前に、市場の反応を見てその発表が良かったのか悪かったのか判断するしかありません。
発表直後に暴騰すれば発表が良いものだった、暴落すれば悪いものだったと。
そして暴騰したら買い、暴落すれば売り、と瞬間的に判断してポジションを取れば、一瞬で利益を上げることが出来るかもしれません。
…しかし実際にやってみると、発表直後は上下に激しく動きすぎて、スキャルピングがとっても難しいです。結果が良くても下がり続けることもよくあるしね。始めのうちは投資金額を低くするなどして、その感覚に慣れる方が重要でしょう。
米雇用統計まとめ
①米雇用統計とはほとんどの場合、最も重要な”非農業部門雇用統計”の事を指す。
②非農業部門雇用統計の発表は、毎月第一金曜日の夜。
③市場予測と発表された数との差が重要。
株や債券などに比べて、FX投資はギャンブル性が強い側面を持っています。そのFXのギャンブル性を最も発揮するのが、非農業部門雇用統計発表直後といっていいかもしれません。
その発表結果によっては、自分の資産の10%~20%は平気で増えたり減ったりします。それも、ものの数秒で。
スキャルピングトレーダーや純粋にFX投資をギャンブル感覚で楽しみたいって方にとって、第一金曜日は最も燃える日になるでしょう。
逆にスイングトレードを中心に投資している方は、この日の前に手仕舞いしてしまった方が良いかもしれません。
とにもかくにも「第一金曜日の夜には気を付けろ!」と覚えておいた方が良いでしょうね。