FXでは取引の最小単位をpipsと表現します。
ちょっとわかりずらく、特にFXの初心者はイメージが掴みづらいでしょう。
そこで1pipsの利益を簡単に紹介します。
1pipsは何銭?利益の計算は?
まず結論を申し上げると、米ドルを1万通貨取引した場合の1pipsの利益は100円です。
10pipsになると1,000円
100pipsともなれば1万円になります。
為替的に見ると、1pipsは1銭になります。
「為替が5pips動いた」という場合は、ドル円が5銭動いているわけですね。
1円=100銭なので、100pipsが1円ということになります。
1ドル=100円が1ドル=101円に円安ドル高が進んだとしたら、100pips動いたってわけですね。
では次に、証拠金に対する利益率の観点から見てみましょう。
ドル円で1万通貨を取引するために必要な証拠金は、為替にもよりますがだいたい4~5万円くらいです。(レバレッジ25倍の場合)
もし仮に5万円の証拠金で1万通貨取引した場合、その利益率はこちらになります。
利益 | 5万円に対する利益率 | |
1pips(1銭) | 100円 | +0.2% |
10pips(10銭) | 1,000円 | +2% |
100pips(1円) | 1万円 | +20% |
単純計算ですが、ドル円の為替がたったの1円上下するだけで資産が20%も動いちゃうんですね。
20%も利益になることもあますし、20%の損失になる可能性も同じようにあります。
わかりやすいようにかなり単純化して説明していますが、FXがとてもハイリスク・ハイリターンなのがわかりますね。
1pipsの利益を目指すのがオススメできない理由
チャートを見ていると、1pipsの利益であれば簡単にとれそうです。
1日の間に何度も取引を繰り返して利益を得る「スキャルピング」という手法もあります。
…ですが、個人的に1~2pipsの利幅でシノギを削るスキャルピングはお勧めできません。
その理由は明確で、取引すればするほど取引コストが負担になるからです。
現在、多くのFX会社のドル円のスプレッド(取引コスト)は0.3銭になっています。
0.3銭というのは、つまり0.3pipsということです。
あるレートでドル円を買った場合、すでに-0.3銭の状態でスタートするわけですね。
で、ここから1pipsの利益を上げるにはどうすればいいかというと…
単純計算で、1.3pips上昇してから売らなければなりません。
わかりやすく具体例をみてみましょう。
たとえば米ドルの為替が買い:100.000円、売り:99.997円のときに1万通貨買ったとしましょう。
その瞬間に99.997円でしか売ることができません。。
資産的にはマイナス30円からのスタートとなります。
で、順調に0.3pips上昇し、売りの為替が1ドル=100.000円になったら、やっと収支はプラマイゼロ。
そこから0.5pips上昇したら、売りの為替が1ドル=100.005円となり、やっとプラス50円
さらに0.5pips上昇すると、やっと1ドル=100.010となり、1pipsの利益=プラス100円になります。
1万通貨という少額で、しかも1pipsというわずかな差益なので目立たないかもしれませんが、利益の30%もコストがかかる状況にあってトータル収支をプラスにするのは至難の業です。
130万円の利益を出したと思ったら、その内から30万円取られちゃうようなものですからね。
ではどうすればいいかというと、もっと取引回数を少なくし、利益の幅を大きくすればいいのです。
たとえば1回の取引で1pipsの利益ではなく、10pipsの利益を目指したとしたら…
その取引コストは単純計算で30%の10分の1の3%になります。
3%の取引コストなら、うまく取引すれば利益に持っていけそうですね。
1日に何回も取引するデイトレーダーは、それだけ取引コストが重くのしかかります。
たくさん取引するのは楽しいかもしれませんが、それで勝つのは難しいでしょう。
とくにFXの初心者は取引したくてウズウズしちゃうもの。
そこをグッとこらえて、取引回数を絞って、ポジションの保有期間を長めにし、利幅を大きくとれば、たったそれだけで勝率が格段に上がるでしょう。