FXでポジションを取る際の注文方法は、大別するとふたつあります。
①その場の値段で直ぐに売買するストリーミング注文
②値段を指定して発注する指値注文
このふたつです。さらに指値注文には「指値」「逆指値」「OCO注文」の三つがあります。
ストリーミング注文と3つの指値注文の使い方や特徴はかならず理解しましょう。そうすれば、ポジションのリスク管理にとても役立つはずです。
指値・逆指値・OCO注文の特徴
ストリーミング注文というのは、最も一般的でわかりやすい注文方法です。株の成り行き注文と同じで、「今現在の為替で買う(売る)」という注文方法。
よほど市場が荒れていない限り、市場の為替でポジションを保有できます。
対して指値注文は、自分の指定した為替レートになった場合に注文が執行されるというものです。
いろんな指定方法が存在しますが「指値」「逆指値」「OCO注文」の3つを理解すれば十分に相場で戦えると思います。
指値注文
例えば現在の円ドル為替が120円だったとします。もう少し下がったら買いたい、そんな時に指値注文が有効です。
仮に115円の指値注文で1万ドルの買い注文を出しておけば、為替が120円から115円に下がった時に買い注文が市場に発注され、指定した値段で買い付けることが出来ます。
指値注文は値段の指定と同時に、期間の指定も出来ます。無期限で約定するまで指値注文を発注することも出来ますし、一週間という期限付きで注文することも出来ます。その期間中に指値の値段まで実勢レートが下がらなかった場合は、注文は失効となります。
上記の例は買付(ロングポジション)の場合ですが、同様に売りから入る時も指値注文が活用できます。
現在の円ドル為替が120円だった場合に、125円に値上がりしたら売りたい。そんな時は125円で指値注文すればいいという事ですね。
指値注文はポジションを新規に保有するときだけでなく、決済するときにも使用できます。
115円で買い付けた円ドルを120円の指値で売りにだせば、実勢レートが120円まで上昇した時に売却することが出来ます。ただし、120円まで上昇しなかった場合は注文が成立しないというリスクもあります。
逆指値
逆指値は損失の拡大を防ぐための注文です。
値上がりしたら利益を確保する為に売る、という指値とは逆で、損失の拡大を防ぐための注文が逆指値です。
例えば115円で買い付けたポジションがあった場合、110円まで値下がりしたら売るという注文方法が逆指値で、損失を5円に限定することが出来ます。
新規買いでポジションを取った場合にあらかじめ逆指値を出しておけば、思いがけない下落に対して損失の拡大を防ぐことが出来るでしょう。
逆指値は新規にポジションを取る時にも使えます。「為替が○○円まで上昇した場合に、もっと値上がりすることを期待して買う」という注文です。ある抵抗線をブレイクしたらもっと上がるはず!そんな予測が立った時に使うと便利ですね。
自分で判断する裁量トレードを行っていて、一番苦労するのが損切りだと思います。損を確定する心理に抵抗もあるし、正しい損切のタイミングなんて誰にもわかりません。
逆指値を上手く使えば、損切りでの判断ミスを少なくすることが出来るでしょう。
OCO注文
OCO注文はOne Cancels the Otherの頭文字です。なんだか難しそうですが、内容はとても簡単。
指値注文と逆指値を同時に出すという注文方法です。
115円で買いの新規ポジションがあったとして、OCO注文であれば、その利食い注文と損切りの注文を同時に出すことが出来ます。
120円の指値で売り注文→5円の利益が確定します。
110円で逆指値での売り注文→5円の損失で損切り。
この様に指値と逆指値のふたつの注文を同時に発注できて、一方の注文が成立すれば、もう一方の注文は失行となります。One Cancels the Otherというわけですね。
OCO注文を発注すれば、利益と損失を自分の許容範囲の中に限定することが出来ます。
これはポジションの解消だけではなく、買付の際も利用できる注文です。上手く活用すれば、市場に張り付いていなくても、有効な為替取引が出来るでしょう。
まとめ
売り(ショートポジション)と買い(ロングポジション)で指値と逆指値の売り買いが反対になるので、慣れていないとちょっとこんがらがってしまいますが、こういった指値を上手く使う事でリスクを管理することが出来ます。
少なくともポジションを取ったら、すぐに自分が受け入れられる最大の損失幅で、期間を無期限の逆指値を入れて置くことをオススメします。
そうすることで、損失の金額を自分でコントロールすることが出来るのではないでしょうか。
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