円ドルのチャートの動きは、日本人にとってはとてもわかりやすいです。
円が買われれば円高ドル安、円が売られれば円安ドル高に動きます。
ではユーロドルはどうなんでしょう?
ユーロがドルに対して買われればチャートは上昇するのでしょうか?
それとも下降する?
ちょっとわかりにくいですが、その動きを簡単に解説します。
ユーロ/ドルを買うという事の意味
通常、円とドルの為替はUSD/JPY(米ドル/円)と表記されます。
ドル→円という順番で表記されますが、この順番にも意味があります。
”米ドル/円を買う”という事は”円を売ってドルを買う”という意味合いになります。
ではユーロと米ドルの場合はどうでしょうか。
通常、これら2通貨はEUR/USD(ユーロ/米ドル)と表記されます。
ユーロ/米ドルを買うという事は、ドルを売ってユーロを買うという意味合いになります。
為替チャートは”最初”に表記された通貨の価値を表している
頭の中がこんがらがっちゃうので、これだけは覚えておきましょう。
たとえばドル円でドルの価値が上がる(円の価値が下がる)とチャートは上昇します。
これは最初に表記されているドルが円に対して価値が上がったから、チャートも上昇しているわけです。
ユーロドルであればユーロの価値が上がれば、チャートは上昇基調になります。
EUR/NZDはユーロの価値がニュージーランドドルに対して上がれば、チャートは上昇します。
USD/CADはドルの価値がカナダドルに対して上がれば、チャートは上昇します。
最初に表記されている通貨の価値を表すのがチャートなんですね。
たとえばアメリカが利上げを発表していてドルが上昇するかもしれない。
しかしながら、ユーロは依然として量的金融緩和を続ける方針。
という事態になれば、米ドルの価値は上がり、ユーロは下がる見通し。
ということは、ユーロ/米ドルはユーロを売ってドルを買うという流れになります。
これはユーロ/米ドルを”売る”ということ。
つまり上記の経済状況を元に予測すると、ユーロ/米ドルは下げ基調になる確率が高いって事になります。
ユーロの価値を表したユーロドルのチャートは下降線をたどりますね。
なれないと、ちょっとわかりづらいですね。
では次にユーロ/円について。
EUR/JPY(ユーロ/円)のユーロと円の関係
EUR/JPY(ユーロ/円)の為替は、米ドル/円と同様に、純粋にユーロと円との売り買いによって決まる…というわけではありません。
ユーロと円は直接取引されているわけではなく、米ドル/円とユーロ/米ドルのふたつの為替市場から算出されます。
米ドルが間にワンクッション入っているわけですね。
詳しい算出方法は割愛しますが、ここで大事なのはユーロと円の為替を決定する際に間に米ドルが入っているという事です。
そのためドルストレートの通貨ペアよりも値動きが激しいという特徴があります。
ボラティリティ(値動き)が激しいと、大きく利益を得られるチャンスがあるものの、同時に大きな損失のリスクもあります。
初心者はまずはドル円やユーロドルの取引から始めた方がいいかもしれませんね。
ユーロ/円の特徴
①ユーロ/円はユーロ/ドルと似た動きをする
ユーロ円はユーロドルと似たような動きになることが多いので、ユーロドルの動きをチェックしておくのも重要です。
ユーロドルが急激に上昇したら、同じようにユーロ円も上昇するかもしれません。
それぞれの通貨ペアが連動して動くのを覚えておいて損はないでしょう。
②ユーロ円は夕方以降に動きが活性化する
ユーロ市場は日本時間の15時~21時くらいに取引されています。
そのため、ユーロ関係の通貨はこの時間帯に活発に取引されます。
ユーロ円の流れが大きく動くのが、東証が始まる午前9時ごろ、そして欧州の取引が始まる15時以降というわけですね。
ユーロ円の主な変動要因
- 米国の経済や指標
- ユーロドルの動き
- ECB(欧州中央銀行)の動向や発表
- ユーロ圏各国の景気や債務状況など
ユーロ円まとめ
ユーロ/米ドルを買うということは、米ドルを売ってユーロを買うという事。
ユーロ/米ドルを売るという事は、米ドルを買ってユーロを売るという事。
ユーロに対して米ドルが強い時はユーロ/米ドルのチャートは下降し、ドルに対してユーロが強い時はユーロ/米ドルのチャートは上昇します。
なんだか頭がこんがらがりそうですが、慣れてくれば感覚的に理解できると思いますよ。