イギリス国民投票の結果EU離脱が決定し、世界の金融市場が混乱しています。
安全通貨である円は世界中から買われていて、ほぼすべての通貨に対して円高状態。1ドル=99円台をつけたのは、平成25年11月以来2年7か月ぶりのことです。日経平均株価も1,000円以上の値下がりをしました。
しかし国民投票で離脱派が勝利したからといって、イギリスが即EU離脱!ということにはなりません。いまからEU離脱の手続きが始まるだけです。
これからのイギリスやEUはどうなるのでしょうか?
今後2年間はEU離脱はない?EU離脱への手続き
この国民投票には実は「法的拘束力」はありません。ですが、イギリスがEU離脱のための手続きを開始するのは確実です。
(そうしないと民主主義の根幹が揺らぎます。その意味でも、今回の国民投票はかなりバクチ的な要素が元々あったのです)
あくまでも離脱の手続きを開始するだけであり、すぐにEUを離脱できるわけではありません。これから詳細な離脱のための交渉が開始されるのでしょう。
この離脱までの手続きには最低で2年間もかかるといわれています。
イギリスとEUの離脱交渉によっては、離脱まで4年くらいかかるという見方もあります。
イギリスはEUからいじめられる?
離脱派はたとえEUを離脱しても、EU各国と良好な関係を持続できると、けっこう楽観的に考えているようです。
ですがEU側の視点で見ると…イギリスと良好な関係を続けることに対するデメリットが見えてきます。
EUがこれから最も避けなければならないことは「これ以上EUから離脱国を作らないこと」です。EUはギリシア問題の時も、とんでもないリスクを背負ってギリシアがEU離脱しないように奔走しました。
「EUを離脱したら損!」これを印象付けるためにも、EUは離脱したイギリスに対して厳しい態度をとる可能性があります。
そのため、今後のイギリスは貿易面・経済面でもかなり不利益を被る可能性があります。
EUは経済協定を結びなおさなければならない
EUを通じて結んできた経済協定を、離脱このイギリスは再度正面から交渉して結びなおさなければいけません。その国数は50か国以上です。
この交渉が長引けば長引くほど、それぞれの国との輸出・輸入が滞るのは当然。
小さな島国であり、日本と同じく資源国ではないイギリスにとっては、大打撃になる可能性があります。
イギリスの経済が今後下降線をたどる可能性はかなり高いでしょう。
イギリスのEU離脱による世界と日本への影響!!!
イギリスのEU離脱をきっかけに、イギリス経済は下降するでしょう。イギリスに流入していた投資資金も引き上げられます。ですが影響はそこだけにとどまりません。
初のEU離脱国を出してしまったEUは、そのシステム自体に失敗の烙印が押されてしまうかもしれません。大げさに言えば、EU崩壊のきっかけになる可能性だってあります。
ドイツ一強となった今後のEUは、経済的に弱い国と強い国との間で、今まで以上にトラブルが続くでしょうし、その結果EU全体が不景気になる可能性もあります。
また、イギリス・EUのトラブルをきっかけとして、世界的な不況が巻き起こる可能性もあります。実際にイギリスの国民投票の結果、全世界の金融市場が大混乱し、200兆円以上が吹っ飛んだといわれています。
ヨーロッパ銀行がアジアに投資している資金が引き戻される動きが出てくるでしょう。とくに新興国が悪影響を受けそうです。
では、遠い国イギリスの国民投票が日本に与える影響をまとめてみます。
- 新卒採用を控える。
- 給料やボーナスが減る。(リーマンショックの後には平均年収が430万円→406万円になってしまった!)
- 日経平均が下がり、円高が進む。
- 円高によりガソリンや海外ブランドの輸入品が安くなる。
- 外国人観光客が減る。観光地が不景気に。
- アベノミクスの目的である円安・株高が失敗!安倍政権の経済政策がピンチに!
これからの世界は、イギリスとEUとの離脱交渉で一喜一憂しそうですね。
FX投資でも最低でも2年間は、常に目を光らせなければいけないトピックになるでしょう。