日本経済新聞は日本で最も広く読まれている、経済や金融をメインとした新聞です。
多くのサラリーマンが購読していますし、ほとんどの証券会社の社員は毎日読むのを義務付けられていたりします。
でも、1分1秒を争うFXのデイトレーダーで日経新聞を情報ソースとして使っている人は、たぶん1人もいないでしょう。
今日の出来事が翌朝届く新聞は、情報のスピードが遅すぎます。
また、通常であれば使っているFX会社の投資ツールに、リアルタイムで最新のニュースが表示されます。
だとしたら、あえて新聞を読む必要性は感じませんね。
でも、FXトレーダーであっても新聞を読むのとても大事です。
新聞がなぜ大事なのか?
また、新聞があてにならない部分も紹介します。
FX取引で日経新聞を読んでおくべき理由
FXトレーダーのほどんどはチャートの動きばっかりを参考にする、生粋のテクニカルトレーダーが多いです。
ですが、ファンダメンタル的な視点を持つことで、テクニカル分析の勝率を上げることができるかもしれません。
そんなファンダメンタルの情報を集めるのに最適なのが日経新聞なのです。
また、世界の為替に大きな変動を及ぼすような大事件の詳細も、新聞であれば詳しく知ることができます。
こういった情報は、チャートを見ているだけではつかめません。
ネットのニュースサイトを確認することでも、そういった世界経済についての情報を知ることができます。
確かに大概の情報はネットニュースで十分ですが…
しかし日経新聞の強みは”パッシブ(受動的)な情報収集”にあります。
ネットのニュースサイトは自分から見に行かないと情報に触れられません。これはアクティブ(行動的)な情報収集です。
グーグル検索もそうですが、ネットの情報は自分が知りたいことを知るのに適しています。
自分が興味をひかない情報は、驚くほど知らなくても生活できてしまう。
その点、新聞は自分が普段触れないような情報もバンバン記事にしてあるので、ふとしたきっかけで思いもよらない情報が入ってくることがあります。
また、日経新聞を読めば今の世界経済の雰囲気が”なんとなく”掴めます。これからどんなイベントがあって、どのように為替に影響を与える可能性があるのか?そんな情報も入ってきます。
日経新聞のパッシブな情報に触れれば、投資家としてのレベルが一段階アップするのではないでしょうか。
①為替に影響を与える大事件を事前に察知する。
②受動的な情報収集でトレードのレベルが上がる
たとえテクニカル分析主体のFXトレードでも、これらのメリットから日経新聞を購読することで有利に取引ができるでしょう。
日経新聞を読むにあたり、気を付けたいこと
2011年に発生したオリンパスの巨額損失隠し事件、これを積極的に報道したのは週刊誌です。最近の政治汚職事件も、そのきっかけを作ったのは週刊誌ばかりですね。
新聞は常に後手に回っていますが、その理由は新聞と権力との利害関係にあるといわれています。
日本経済新聞も大企業との利害関係にどっぷりとつかっている新聞のひとつ。
オリンパスの事件も、日経が報道したのは当局が動いた後。日経は企業と密接な利害関係があり、批判的な報道をすることができなくなっています。これは報道機関として正確な情報を伝えるのに枷となるでしょう。
また、日本経済新聞の特徴として大きいのは”誤報が多い”ということ。
「仮にも日本を代表する経済新聞が、こんな誤報を乗せますか!!?」というレベルの誤った情報を平気で一面に載せる場合があり、それを材料に株価が上下することもあります。
その後、報道された企業の広報が慌ててその報道を否定する声明を発表する、なんてことはよくあります。
日経新聞ってホントにびっくりするくらいの誤報が、さも真実であるかのように報道されるんですよね。
- 大企業との蜜月の関係。
- 先走って不確かな報道を掲載する。
日経新聞には一見相反するような、このふたつの傾向があります。
報道されていることすべてを、頭から信じ込むのは危険ですね。
自分の世界市場に対する意見を持つことが大事
日経新聞は経済や金融を学ぶにあたって最適な新聞です。
一面を見れば、今世界で一番アツいトピックが載っていますし、世界経済の動きを肌で感じ取れます。
もしわからない単語があればそれを調べる、これを繰り返せばかなりの経済通になれるでしょう。
「これからの世界経済はちょっと下降線かな…」
「あの国でいま起きてる○○の状況次第では、また円高になるな…」
なんて、グローバルな視点を持てますし、そのほうがFX投資には有利です。
「世界市場の方向性」というものを、おぼろげでも自分の中に持っておくことは、投資を続けるうえでとても大切なのではないでしょうか。