MACDはマックディーと読みます。「Moving Average Convergence Divergence(移動平均収束拡散法)」の略でMACDなんですが、これは特に知らなくてもいいですね(^-^;
このMACDという指標を使った投資判断の方法をわかりやすく説明します。
MACDの利用方法
このMACDは「トレンド線」と「MACD線」二つの腺から出来ています。使い方は単純な移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスにとてもよく似ています。
①買いのタイミング
シグナルをMACDが下から上に突き抜けると上昇トレンドに入ったというシグナルで買い!
②売りのタイミング
シグナルをMACDが上から下に突き抜けると下降トレンドに入ったというシグナルで売り!
これだけでも有効ですが、更にこの売買タイミングが発生した「形」も考慮すると、その精度が格段に上がります。
クロスの角度
トレンドにMACDが突き抜けることで売買シグナルが発生しますが、その角度が急であればあるほど強いシグナルとなります。逆に突き抜ける角度が浅いとだましが多くなる傾向にあります。
中心線からの距離
売買のシグナルが発生した位置が中心線からの離れていればいるほど強いサインとなります。
MACDとシグナル線のクロスが取引のタイミングとなり、その角度や中心線からの距離が、そのシグナルの強さの目安となります。
ヒストグラム
真ん中に表示される棒グラフはヒストグラムと呼ばれ、シグナルとMACDの差が表示されます。トレンド線とMACD線が丁度クロスしたところで棒グラフは消えますので「棒グラフの消失=トレンドの転換」とも読み取れます。
MACDの逆行現象
時たまチャートでは上がり続けているのに、ヒストグラムが下がっている、或いはMACDとシグナルの両方が加工しているという現象が起きます。これを逆行現象と呼び、トレンドの転換を示す場合が多いです。
チャートが下がり続けているのに、MACDとシグナルが上がり続けている逆行現象も、もうすぐ上昇トレンドに転換するというサインとなります。
MACDの特徴
MACDの強みと弱みを紹介します。
- トレンドの方向性を測るのに優れている
- シグナル発生のタイミングが単純移動平均線と比べて格段に早い。
- 週足、月足などの長めのスパンの方が信頼性が高くなり、逆に短い期間を設定するとダマシが多くなる。
- トレンドが強くないボックス相場には弱い。小さなゴールデンクロスやデッドクロスが出現しやすくなるためダマシが多くなる。
最も特徴的なのは、ゴールデンクロスやデッドクロスが移動平均線のよりも早いタイミングで発生することです。
つまり、移動平均線だけを参考に売り買いのタイミングを決めている投資家の先手を打つことが出来るということですね。
ただし、値動きの小さな相場状況ではダマシが多くなるのも注意が必要です。
これらを深く理解すれば、より有効にMACDを利用できるでしょう。
MACDの設定方法
MACDの設定には主に3種類のパラメーターがあります。
①短期EMA期間
②長期EMA期間
③シグナル
短期EMA期間と長期EMA期間によってMACDのラインが決まります。
EMA=指数平滑移動平均で、単純な移動平均線とは違い、直近の数値を重視した移動平均線となります。計算方法は難しいので割愛(^-^;
最もポピュラーな設定は短期=12で長期=26、シグナルは9とする設定です。
例えば日足チャートを使っていた場合は短期EMAは12日間、長期EMAは26日間、シグナルは9日間という期間で作成されます。
これが5分足だった場合は、短期は12×5=60分、長期は26×5=130分、シグナルは9×5=45分の期間で作成されます。
つまり、自分の使っているチャートの設定期間によって、MACDとシグナルのラインは激変するという事になります。
日足では絶好の買いタイミングなのに、30分足のチャートを確認すると売りのタイミングだった…なんてことも十分に考えられます。
MACDの最適な設定とはなんなのでしょうか?
それは通貨によっても変わってくるでしょうし、時期によっても変わってくるかもしれません。ただ、最も基本的な設定である12-26-9の設定は、その設定を利用している人が多いという根拠から、最も有効な設定のひとつであることは確かでしょう。
デイトレードなのか、スイングトレードなのか、それとも長期投資なのか?MACDを利用する場合は、その設定期間によって投資判断が激変することを抑えつつも、自分の投資スタイルに合わせて使用するのがいいでしょう。
まとめ
大雑把に見ると、MACDとシグナルが中心線より上であれば上昇トレンド、下であれば下降トレンドという事がわかります。同様にヒストグラムが上であれば上昇トレンド、下であれば下降トレンドですね。
基本的にMACDとシグナル線のクロスが売りや買いのタイミングになります。そのクロスの角度や中心線からの距離、それに加えて現在の相場にしっかりとしたトレンドがあるかなど、複合的に判断すれば、MACDの精度が上がると思います。
また、実際のチャートの動きとMACDの動きが逆行した場合は、トレンドが変わる予兆である可能性があります。
移動平均線よりも取引タイミングが早くわかるという特徴を生かせれば、有効な指標となるでしょう。
ただしボックス相場ではその真価を発揮するのが難しいので、他の指標と併用して総合的に投資判断を下すのが良いのではないでしょうか。